今日はハロウィン。
ハロウィンパーティーが、学校で盛大に行われてるんだけど。
さっきから、彼氏のあずまくんが見つからない。
あずまくんのクラスの友達に聞いたら、女子たちと写真撮ってて当分抜けられそうにないって言われちゃったし……。
予想はしていたことだけど、やっぱり悲しくなってしまう。
このまま2人っきりになる時間もないまま、終わっちゃうのかな……。
「ハァ、あずまくん……会いたいな」
屋上で一人ため息をついていた、その時。
背中にふと抱きしめられるような温もりを感じた。
「やっと見ーつけた、俺の魔女さん。探したよ。」
こ、この声は……
「あずまくん!?どうして……」
「ん?魔女さんからのお菓子をもらいに、ね」
振り向くと、吸血鬼の仮装をしたあずまくんと目が合って、今度は正面から抱き寄せられる。
「ねぇ。お菓子ちょーだい。」
「え、えっと……」
もう話す時間もないと思って、さっき教室にお菓子を置いてきちゃったんだよね……。
「もしかして、無い?」
「う、うん、ごめん……。用意はしてきたんだけど今手元に無くて、教室に行けば……」
「ん、いいよ。無いなら、魔女さんをもらえばいいから」
「えっ?」
甘やかな声と共に、唇には甘いキスを落とされる。
「ん……っ」
お菓子よりも甘いキスにとけちゃいそうになっていると、あずまくんが小悪魔っぽく笑みを浮かべて、
「ついでにここにも噛みついちゃおうかな。」
首筋辺りを指ですーっとなぞる。
「キャッ……」
「フッ。ずいぶんと可愛い声を出すね?魔女さん。」
どうやら恋の魔法は、魔女の私でもとけそうにないようです──…。
written by :*✿ひめりぃ✿*:
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