成長した君

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私には幼稚園から中学3年までずっと一緒の幼なじみ、「H(男子)」がいる。Hとは一回もクラスが割れたことがない。Hは中学3年とは思えない程素直で純粋な子だ。転んだら泣いたり、無邪気に笑ったり、嘘がつけなかったり、イジメや陰口が嫌いな子だ。私はそんなHを弟のように接して好きという気持ちは隠していた。

ある日体育の授業でドッジボールをすることになった。私はドッジボールが苦手だ。正直言って面倒だし、逃げることしかできないからだ。Hとは同じチームで男女混合だった。10分の試合だった。

試合開始から5分くらいたって、ボールが2つになった。さすがに避けるのも厳しくなる頃。そろそろ外野に行こうと思った。そんな事を思っていたら、イキナリ周りから「危ないっ!!」と言われて顔を上げると目の前にボールがあった。避ける時間などなく頭にボールがあたった。投げたのは男子だったからとても痛かったのを覚えている。目が覚めたら保健室で隣でHが寝ていた。どうやら昼休みらしい。体育の時間が3時間目だったから、1時間は起きなかったようだ。

先生から「Hくんがここまで運んでくれたの、お姫様抱っこでね。心配すぎて授業行きたくないって言うからここにいてもらったの」と言われた。先生からその話を聞いた後Hが起きた。すると私に泣きながら飛び付いて「起きて良かった!」と言った。
私はHに「ありがとう」と言った。Hのことがもっと好きになった瞬間だった。

教室に戻った後友達からあることを聞いた。何でもボールを投げた男子に激怒したのだとか。なぜHが激怒したのか、実は男子は女子を狙ってはいけないというルールがあったのだ。だからだと思う。
それ以降私はずっと弟のように接していたHが少し大人になったように思えた。Hが激怒やお姫様抱っこしたことに驚きを隠せなかった。私の知らないところでHは大人になっていて安心した。

Hとは今離れているが、今度会ったらこの気持ちを伝えてみるのもいいと思った。

written by Misa

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Misa

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