〜練習に付き合ってくれたお礼〜

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これは私が中学3年生のときのお話。


私たちは1ヶ月後に合唱祭を控えていました。
指揮者、伴奏者も決まり、みんな練習を少しづつ始めたときのことです。
私は小学校の頃から指揮者の経験がたくさんあったため、今回指揮をやることになった男の子(N君)に「指揮のコツを教えてほしい。」と頼まれました。
翌日から朝と放課後、伴奏者の子と私と仲のいい友だち(Mちゃん)と4人で練習をすることになりました。

練習を始めて何日か経ったとき、N君が「今日は塾があるから、練習は大丈夫だよ」と言って帰ったので、私も、指揮を教える相手がいないなら残っても仕方ないし帰ろうと思い、いつも練習に付き合ってくれていた友だちと帰りました。
次の日の放課後いつものように練習をして、その日はみんな疲れていたということもあり、早めに切り上げることになりました。一緒に帰っていたMちゃんは、少し勉強してから帰ると言って、その日は私1人で帰りました。
そして事件は私が帰ったあとに起こりました。その日はクラスメート数人も教室に残っていたのですが、合唱祭の練習が始まってからの私の行動を見てたある女の子が「何あいつ、男にだけいい顔しやがって。N君がいないと練習しないんだ。ただの男目当てじゃん」と言っていたそうです。
元々私は、女の子といるより男の子といるほうが楽なタイプで、男の子からも「こいつは男と変わらん」的な目で見られていました。しかし、それをよく思わない女の子に恨みを買ってしまい、裏でコソコソ悪口を言われるようになりました。

Mちゃんは、「今日はこんなこと言ってたよ」と、いつも私を心配して陰口の内容も詳しく教えてくれました。私は言いたいやつには言わせとけばいいと思い放っておいたのですが、どうやらMちゃんが、私が影で悪口を言われてることをN君に教えてしまったらしく、N君が心配して「本当なの?」と私のもとへ来ました。
大事にするのも面倒なので「そうみたいだね」と軽く流しました。
しかしN君は相当怒ったらしく、その日の放課後に、私の悪口を言っていた女の子にこう言いました。

「俺が指揮の練習に付き合ってほしいって頼んだんだけど。どういう経緯でこうやって練習してるかも知らないくせに、適当なこと言ってアイツを傷つけるなよ!!てか、自分がモテないからって人の悪口言うとかありないよ
な。だからモテないんだよ。」と。

影で見ていた私は「ちょっと言いすぎじゃないか、、」と思いつつ、必死に私を守ろうとしてくれたN君に感謝しました。その後、私がN君にお礼をしに行った時、彼は「いつも練習に付き合ってくれてるお礼だよ」と笑いながら言いました。「また何かあったら、いつでも相談してよ。」と頼もしいことまで言ってくれました。

N君に恋愛感情はありませんでしたが、正直ちょっとかっこいいなと思った瞬間でした。

written by twinkle_star

エピソード投稿者

twinkle_star

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