高3の夏、俺(立花義行、仮名)はサッカー部で主将を務めている。
今日は県大会一次予選の決勝、相手は先輩の代から勝てそうで勝てない宿敵。
「今度こそ」の思いを込め、試合前の円陣でチームメイトに「今日こそ絶対に勝つぞ!」と檄を飛ばし、そしていよいよキックオフ!
一進一退の展開となったけど、先制点を決めたうちの高校(S高校)が1点リードで前半が終了!
みゆき「お疲れさま☆はいっ、これ(^^)」
俺「ありがとう」
控え室に戻ると、マネージャーをやっている俺の彼女、宮川みゆき(仮名)がドリンクを持って来てくれた。
整った顔立ちに、きれいな黒髪のショートボブがよく似合うかわいい子で、控えめでおとなしく、優しい性格。
俺の自慢の彼女でしかも相性抜群、学校公認のカップルになっていました(^^)v
(ハーフタイム、スタンドで観戦している親子)
お母さん「いい試合なってるね(^^)」
女の子「うん♪それでS高校のキャプテンのお兄さん、すごくカッコいい♡」
お母さん「さっきからそればっかりね(笑)」
女の子「うっ…(^^;」
私は小5の女子。
お母さんと一緒に地元の高校のサッカー部の試合を観に、会場の小さな陸上競技場へ来ていた。
闘志溢れるプレーを見せているS高校のキャプテンのお兄さんに、私は心を奪われていた…。
(あのお兄さん、本当にカッコいいな…)
(話しは俺視線に戻り、後半戦)
ハーフタイムが終わり、後半戦がキックオフ!
しかし開始直後、一瞬のスキを突かれて同点ゴールを決められてしまう。
さらにその5分後にも失点しあっという間に逆転され、追う展開に…。
「諦めるな!気持ちと集中力を切らすな!!」
俺は仲間に大声で激を飛ばす。
後半30分、右サイドからの俺のクロスボールにFWがヘディングシュートを決め同点☆
そして試合終了間際、俺が右足を振り抜き渾身のロングシュート!
低い弾道のシュートはゴール左スミに突き刺さり、逆転!!
「よっしゃぁー!!」
俺は喜びを爆発させ自軍ベンチに駆け寄ると、みんながいるのも忘れてみゆきと抱き合った♪
チームメイト「おふたりさん、アツいね〜w」
「彼女いない俺に見せつけんなよ〜w」
俺&みゆき「あっ…」
慌てて抱き合うのをやめたけど、この後みんなにめっちゃ冷やかされた…(^^;
そっそれはともかくw、この後すぐに試合終了のホイッスル。
先輩の代からずっと勝てなかった宿敵にやっと勝てた(^^)v
劇的な結末に、ローカルな試合とは思えないほど会場は騒然とし、沸き上がっていた。
試合が終わり、汗だくのユニフォームを着替えて会場の陸上競技場からみんなと一緒に出ると、小学生らしい女の子とその母親らしい女性ふたりが近づいて来る。
母親「ほら、早く(^^)」
小学生の女の子「やっぱり恥ずかしいよ…」
母親「しょうがないな〜(^^;」
俺「??」
母親「はじめまして、試合観てました。勝利おめでとうございます☆」
「最後のロングシュート、スゴかったですね(^^)」
俺「あっ、ありがとうございます」
母親「この子、お兄さんのこと試合中ずっと『カッコいい♡』って言って、釘付けになってたんですよ(^^)」
俺「ど、どうも」
母親に連れられて来たおとなしそうな女の子は頬を赤く染めて、恥ずかしそうに俯いている。
母親「ほら、お兄さんに『おめでとうございます』って言いたかったんでしょ(^^)」
女の子「う、うん…」
俺「応援してくれてたんだ、ありがとう(^^)」
かなり緊張しているみたいだったので、俺は優しい口調で話しかけてみる。
女の子「き、今日は勝っておめでとうございます☆お兄さん、すごくカッコよかったです…♡」
俺「ありがとう(^^)」
緊張でガチガチになりながらも、俺の顔を見上げながら一生懸命想いを伝えようとしている女の子…。
健気な子だな〜。
女の子「えっと、あの…。こ、これ」
俺「えっ、これ俺にくれるの?」
女の子「はい…」
女の子が恐る恐る差し出して俺にくれたのは、小さなリボンがついた五円玉。
俺「ありがとう、大切にするよ。それじゃあね(^^)」
女の子「わ、私は里奈。大きくなったらお兄さんのお嫁さんになりたい、です…!」
五円玉のお礼をして、帰ろうとすると女の子は頬を赤く染めたまま目をうっすら潤ませて、必死にこう言った。
俺「ははっ、ありがとう(^^)」
俺は里奈という女の子の頭をポンポンしてあげた。
みゆき「義行くん、やっぱりモテるねwよかったじゃない♪」
俺「ははっw」
みゆき(里奈という女の子に近づき、小さな声で)「私もあのお兄さんのことカッコいいと思うから、気持ちわかるよ♡」
「なんて…w」
夏になると思い出す、高校時代の思い出です。
この後、みゆきとは卒業後も付き合い続け、婚約もしますが結婚式を目前にしたある日。
交通事故に遭い帰らぬ人に…。
ずっと彼女のことを引きずっていて「もう恋愛はしない」と心を閉ざしていましたが、数年後職場で出逢ったひとりの女の子と恋に落ち、付き合うようになり昨年のバレンタインデーに結婚しました。
その女の子、実は高校時代のサッカー部の試合の後にリボンのついた五円玉をくれて「大きくなったら、お兄さんのお嫁さんになりたいです…!」
と言っていた子だったんです…!!
はじめて出逢った時からずっとお互いその事に気づきませんでしたが、結婚してから思い出話しをしているうちに、その驚きの事実が判明しました…。
「事実は小説より奇なり」
こんな事もあるんですね…。
里奈は「天国の、みゆきさんの分まで幸せにならないとね(^^)」と言っています。
そう、みゆきの分まで里奈ずっと一緒に、幸せに日々過ごしていきたいです…!
written by TAKI
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大好きな愛妻とのエピソード、あと学生時代の思い出話しも書いてます。