「そこはこうやって…」
「あ、そっか!助かります!」
「件数多いもんね、頑張ってて偉い!」
退勤間際に同僚から質問をうけ、椅子を寄せ1つのパソコンを2人で見ながら説明をする。
「いやぁ助かりました!」
疑問を解決できて嬉しそうな彼を見つめながら追記事項を説明しよう体を寄せた時。
「真島〜」
「はぁーい…ってどうした?霜月」
「このボトルの詰め替えどこだっけ」
「え?…それじゃない?」
「えぇー。違くない?」
「え、じゃあこっち?」
「あ、それか!」
私達の机のそばにあった詰め替えセットを手に持ち渡す。
「あっ。悪い」
フタを外そうとしたら少量の中身がこぼれ私の制服にかかった。
「スカート濡れたんですけどぉ…ごめんちょっと待っててね
」
拭くものを取りに休憩室に向かいスカートを拭こうとしたら肩を叩かれ振り向けば。
「えっ…んぐっ!」
何故か私のスカートを濡らした張本人の手で口を塞がれた。
「はぁ…あのさ」
何故か怒ってる裕貴が私の肩に顔を埋めた。
「香水…いつもの仕事用のやつじゃないでしょ」
確かに職場用のやつがきれたからいつも裕貴に会う時に使っていたのを代替で持ってきていた。
コクコクと頷けば更にグリグリと顔を埋めた裕貴。
「…その匂いで他の奴の近くにいたらダメ…俺といる時以外使わないで」
「ライバル増やしたくないし…さっきも距離近すぎだし。もうちょっと離れて」
「わかった?」
耳元で何かに耐える様に囁く裕貴にドキドキしつつも、
頷けばそっと手が離れた。
「…良い子は好きだよ。みゆ」
優しい眼差しで見つめられれば顔に熱が集まってくのがわかる。
そんな私をみて満足したのか休憩室を後にする裕貴。
「なんなの…それ…ただのヤキモチじゃん…不意打ちズルいよ…」
自分主義な彼の初めてのヤキモチに気付き、嬉しいような恥ずかしいような思いで私は仕事に戻ったのでした。
written by みゆみ
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私の短い人生の中で起きたまるで恋愛小説の様な体験を誰かと共有できたら嬉しいです。 小説サイトで活動してます。ただの社畜です。