(続・一通のメールで)
先生と付き合ってからすぐの話です。
「マコ、来週予定通りこっち来れそう?」
「はい!大丈夫です!」
「あ〜やっとマコに会える、楽しみにしてる!ただ、緊張もあるんだけどな(汗)」
来週はやっと先生に会える日!
そして…私の両親に先生が挨拶をする日でもありました。最初のうちに、ちゃんとご両親にご挨拶をして認めてもらいたいと、先生が最初に言い始めました。
私は不安が大きかったです。
事前に両親には、城田先生と付き合ってると伝えてました。2人とも選抜の時の城田先生?!と、びっくりしていて、とりあえず2人で家に来なさいとしか言われませんでした。
「マコ。大丈夫。認めてもらえなくても、何度でも足運んで、諦めないから。マコは何も心配しなくていいからな?」
常に私を安心させてくれようとする先生。
そんな先生が愛おしくて仕方なかったです。
ーーー当日ーーー
「マコ!おかえり♪」
駅まで迎えに来てくれた先生は、スーツをビシッと着て、髪は控えめにセット……最高の文字しかない!
「先生、ただいま!その格好…カッコ良すぎます…」
「変じゃないかな?大丈夫??」
「ぜんっっぜん!最高…!鼻血出そうです…」
「何言ってんだよ(笑)ほら、行くぞ!」
先生はすでに両親に手土産も買ってくれてました。
「先生、緊張してますか?」
「当たり前じゃん、ほら。手汗やばい。」
先生の手を握ると、確かに手汗が…
「本当だ…先生、ありがとう。最初に挨拶したいって言ってくれて嬉しかったです。」
「そんなの当たり前のことだから気にするな♪」
あっという間に私の実家に到着。
ーーーピンポーンーーー
お母さんが意外にも…笑顔で迎えてくれました。
「マコーおかえり!あっ、城田先生、お久しぶりですー!どうぞあがってください!」
「お久しぶりです!すみません、お邪魔致します!」
先生は緊張を感じさせないほど自然な振る舞い、でも真面目な姿勢は崩さない…いつも以上に大人に見えて…。
奥の部屋へ行くと、お父さんが座ってました。
「内山さん(マコの苗字)、お久しぶりです。今日はお時間を頂いて、ありがとうございます。」
「いえいえ、城田先生。お久しぶりです。どうぞ、座ってください。マコも、座りなさい。」
「うん…」
お母さんも座って、早速本題に…。
「娘から聞いてます。付き合い始めたと。」
「はい。今日はお付き合いを認めていただきたいと思い、お邪魔させていただきました。」
正直…こんな堅い感じになると思ってなかった。
私の両親は基本ふわふわしてて、堅い雰囲気が似合わない2人だったので、凄く不安でした。
「城田先生は、娘の将来をどうお考えですか?」
直球な質問…。私の将来…
親にとっては、それほど心配・不安が大きんだろうなとこの時初めて気づきました。
「はい…マコさんは僕よりも若いですし、やりたい事もたくさんある、これからだと思ってます。マコさんの可能性を潰すつもりもありません。色々な事に挑戦して、沢山の人と触れ合って、色々経験を積んでほしいと思ってます。僕はそんなマコさんを1番近くで支えてあげたいと…一緒に成長できればと思ってます。まだ付き合って日も浅いですし、お互いの事を全て分かってるわけでもありません。ただ、中途半端な気持ちでマコさんとお付き合いするつもりはさらさらありません。」
この言葉は、一生忘れないと思います。
先生がこんなに真剣に考えていてくれて、こんなにも想ってくれてたなんて…視界がぼやけました…。
お母さんがそっとティッシュをくれました。
「どうか、マコさんとのお付き合いを認めていただけないでしょうか。お願いします。」
先生と一緒に頭を下げた。
「マコ、お前はどう考えてるんだ?」
今度は私に投げかけてきたお父さん。
さっきよりも…顔が少し緩んでる気がした。
「私は…私が成長していく姿を1番側で見ててほしいのは、城田先生。一緒に辛いことを乗り越えて、楽しくて笑い合いたい人も城田先生。私が支えてあげたい人も…城田先生。だから…お願いします、認めてください!!!」
私は先生みたいに上手くまとめて伝えるのが苦手…でも今の気持ちを素直に伝えたつもりです。
「はぁ〜…」
お父さんが大きく息を吐いた。
「城田先生、2人の関係は全員が全員認める人ではないし、白い目で見てくる人もいるでしょう。他校とはいえ、教師と生徒。そんな中でもちゃんと娘を守ってくれますか?」
「はい!それは覚悟の上です。」
お父さんとお母さんは目を合わせてふっと笑いました。
「分かりました。城田先生、娘を宜しく頼みます。」
「…ありがとうございます!!!」
凄く凄く凄く嬉しい瞬間でした。
絶対に認めてくれないと思ってました…先生と2人でも時間をかけて認めてもらおうと話もしてました。
両親の心の広さ、そして理解してくれようとした気持ちに、本当に感謝しています。
その後、少し談笑をしてその日は家を後にし、そのまま先生の家へ行きました。
何気に先生の家は初…さっきの挨拶の時の緊張とはまた違う緊張が…///
家に入って、ソファに座った瞬間、先生が抱き締めてきました…。
「はぁーーーー…緊張した…」
「え!今!?車内ではケロッとしてたのに!?」
「家に帰るまでが挨拶(笑)」
「どういうことですか?!(笑)」
「ふふ(笑)…認めてくれたな、ご両親。」
「認めてくれましたね…。」
「やばい…めちゃくちゃ嬉しい…絶対反対されると思ってた。門前払いくらうとも思ってたし…覚悟してたけど…本当素敵な両親だな。感謝しかないよ。」
「先生、ありがとう。あんな事を思ってくれてたなんて、うち知らなかったです。先生の思いが両親にもちゃんと伝わったんだと思います。」
「うん…マコも頑張ったな(笑)あの言葉、結構嬉しかったよ、俺(笑)」
「語彙力の無さは…触れないでください…」
「ははは(笑)改めて…これからも宜しくな?」
先生と2度目のキス…
ここから先生の甘えモード突入です。
私の膝枕でゴロンとした先生。
「マコ〜俺頑張ったよな?」
「はい!頑張りましたよ!」
「じゃあ、俺のお願い聞いてくれる??」
先生がお願いなんて珍しい。
「敬語やめて?」
「え?!」
「今から敬語なし!分かった?」
「あ、うん、分かった///」
ずーーーっと敬語だったから凄く照れる///
「あと、もう一つ!」
「何…?」
「俺の事、名前で呼んで…?」
「ええ!!!!!!!」
「いいから、早く。名前で呼びなさい。」
先生とお付き合いする人は
必ず通る道なんだと思うけど…恥ずかしい////
「それは…恥ずかしい!!!」
「だめ!早く!俺今日頑張ったもん!ご褒美!」
先生が…可愛い大型犬の犬みたいになりました…。
「ええええー………けんじ…くん?」
「聞こえない〜」
「健二くん…健くん!!!」
「………」
「………」
「ああー…これはやばい…照れるな…/////」
2人して顔が真っ赤で笑い合いました。
ひとまず、私の両親への挨拶が無事に終わりました。
2人も心底ほっとしています。
健くんの思いを聞けて凄く嬉しかったので、投稿させてもらいました。
今度は…どんな素敵な思い出ができるか楽しみです!
written by しん
Sponsored Link