「やばい…帰れない…」
夏が近づいてきた今日この頃。
私は連勤が続いてた。
しかも残業も増えてて。
ぶっちゃけ疲れた、がマネージャーとしてやることをやらないと部下達に示しがつかないので頑張っていたら。
「何か俺にできることある?」
「裕貴…んー…」
同期で同級生で私が片想い中の裕貴が声をかけてきた。
「大丈夫だよぉ…自分の仕事だから私が頑張らないと」
パソコンを見つめながら返事をすれば私の頭に重みが加わった。
目の前に手がふってきて驚いて目を閉じればそっと瞼をなぞられる。
「こんな隈ある人にそんなこと言われても説得力ありませんー」
「顎重いんですけど…」
グリグリと頭を顎で押されながら反論すれば。
「俺そんな頼りない?」
少し元気がなさそうな声で問いかけられた。
「んーん、頼りにしてるよ。でも私がやらないと…」
「部下の成長を見守るのも上司の務めだぞ」
ゆっくり開けた瞼の先に下手くそな顔文字が描かれた付箋。
「間違ってるかもしれないけどちゃんとやるから。安心して任せろって」
「……ありがとう」
「ほら。帰った帰った!!」
「ちょ、説明…!」
「大丈夫!ちゃんとお前のやりたいこと伝わってるから」
鞄を持たされ出口まで背中を押される。
「でも!!」
「早く帰って寝て食って!また一緒にゲームしような」
そう言って笑った彼の笑顔と下手くそなクマの絵を目にやきつけて私は帰路についた。
その日は久しぶりに熟睡して目覚めたら。
(資料できあがってるから起きたらゲームしようぜ)
なんてメッセージが入ってて。
抱えすぎず頼りになる人に甘えるのも仕事かなぁ。
そう思いながら彼へ電話をかけました。
「おはよ、あのね…ありがとう!」
written by みゆみ
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私の短い人生の中で起きたまるで恋愛小説の様な体験を誰かと共有できたら嬉しいです。 小説サイトで活動してます。ただの社畜です。