初恋の人

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これは、私(ひまり)と幼馴染ひだちゃんの話です。
私は人見知りが激しく、ひだちゃん以外友達がいませんでした。いつも私に優しく接してくれるひだちゃんが私の初恋の人です。
母の影響で野球が好きな幼稚園生の私の将来の夢はプロ野球選手でした。しかし、その頃は女子プロ野球が知られていませんでした。
 私は、夢を聞かれた際プロ野球選手と答えたら周りの子達にすごくバカにされて、いつもひだちゃんと遊んでいた土手で大泣きをしていました。そこにやってきたひだちゃんにそのバカにされた話をしたところ、ひだちゃんはこう言いました。「そしたらひまりちゃんは女の子しかなれない人になればいいじゃん。プロ野球選手の奥さんだよ。俺がプロ野球選手になるからひまりちゃんは僕の奥さんになってください。」と。
 そこからひだちゃんは、野球を始め小学校5、6年生が出る大会に小学校1年生で出て、ホームランやヒットをたくさん打っており、4番を任されるようになったため将来有望と言われていました。野球をしていても毎日一緒に、帰ったりして遊んでいました。
 親の仕事の関係で私が小学校3年生の際引っ越すことになってしまいました。私はひだちゃんに引っ越すことが伝えられず、私から直接引っ越すことを聞かされなかったひだちゃんは怒ってしまい大喧嘩をしました。引っ越す前日、いつもの土手でひだちゃんともう会えないと泣いていた私のところにひだちゃんが来ました。そして、ひだちゃんは「高校の卒業式にプロ野球選手になって迎えに行きます。それまで俺を好きでいてください。そして、結婚してください。」と、私にキスとお花で作った指輪をくれました。そこから、高校三年生まで毎月1回私はひだちゃんとお手紙をやりとりしていました。
 時が経って私の高校の卒業式、いくら待っても彼は来ませんでした。卒業式から帰った家に一通のお手紙が置いてありました。
「ひまりへ
 元気?俺はもう心臓の病気で、この手紙がひまりが読んでいるときは天国にいます。小さい頃に約束した俺がプロ野球選手になる夢叶えられなくてごめんね。大好きなひまりのプロ野球選手の奥さんになる夢叶えられなくてごめんささい。
高校を卒業するまで俺を好きでいてくれたのかな?わかんないけど、俺の好きな人は人生でひまりだけです。
これからは俺じゃない素敵な人俺よりかっこよくて優しい人と結婚してね❤︎。
空の上から見守ってます。俺のことどっかでは覚えといてね                 ひだか」
 彼は私が引っ越した3ヶ月後に9歳という若さで心臓の病気により亡くなったそうです。この手紙は亡くなる30分前に意識が少しだけ戻ってこれを書いて亡くなったそうです。私がずっと手紙をやり取りしていたのはひだちゃんの兄で、彼のお願いで私とお手紙を交換していました。
 彼のことを一年は引きずっていた私は、やっと切り替えられて、彼よりかっこよくて、優しい人(笑)と結婚できるように、自分磨きを頑張っています。

written by ひだか❤︎

エピソード投稿者

ひだか❤︎

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