高校三年生のときに初めて同じクラスになったことがきっかけで出会った彼。名前も顔も知らないはじめましてから始まった。
教室で話したり、メッセージのやりとりをしたり、仲良くなるのに時間はかからなかった。話すのが苦手な私に、いつも優しく話しかけてくれる彼のこと、気づけば好きになっていた。
しかし控えめで大人しい私には気持ちを伝える勇気はなく、あっという間に卒業。お互い地元を出るのが決まっていたため、高校卒業と同時にそれぞれの場所へと旅立つことに。
一度だけ高校の同窓会で会えるチャンスがあったが、私は参加できなかった。
そして大学四年生になったときに久しぶりに彼から連絡がきて、初めて電話で話すことに。緊張でいっぱいの私だったけど、会話でリードするのはいつだって彼の方だった。その優しさに何度も惹かれてた。人気者で、男の子の友達も女の子の友達もたくさんいる彼。
「いつでも悩み聞くよ」そう言われた瞬間、嬉しい気持ちと反面、きっと私にだけじゃない、と、友達にしか思われてないことを実感して寂しい気持ちにも。
私は、友達としての繋がりを選んだ。今の関係性を崩したくないから。どんなに悩んでも、スキの2文字が言えなくて。いつだって、たった2文字の言葉を伝えられなくて。
離れてた時間、離れてた場所でそれぞれの恋愛をしてきた。きっとこの想いが叶うことはない。今でもあのとき言えなかった自分に後悔している。この先、お互いに恋愛して、結婚して、子どももできて、それぞれの人生を歩むことになる。それでも、私はあなたに恋をしたまま生きていく。これまでも、これから先も、ずっと。
written by paruru
Sponsored Link