幸せになってね

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私は職場の同僚に恋をした。その人は背が高くて、穏やかで、同僚のなかでは兄のような存在だった。私が仕事で失敗したときには、一緒に飲みに行って励ましてくれた。私の体調が悪いときには誰よりも心配してくれた。ある日、二人でずっと行きたかったイタリアンのお店に行った。いつまで話すんだというくらい話した。学生の時の思い出、部活、恋の話、今はまっている漫画、仕事のこと、同僚達のこと…。ずっとこの時間が続けばいいのにと思った。彼はもうすぐ、彼女と結婚する。彼女もとても良い子でお似合いだった。彼の幸せそうな顔を見ると嬉しいけれど、本当は私が幸せにしたかったな。この気持ちをそっと胸の奥に閉まって、私は今日も生きていく。

written by こはく

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こはく

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