昨日の私は今日の敵。

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昨日までの私とは違う。
君の顔なんて見たくない。
そう思うのは強がりで、君の横顔しか見れない自分が一番もどかしい。
昨日の私は、君の顔を正面から見れてて、笑顔も私だけに向けてくれていたのに…
私の隣を歩いてくれていた君は居なくて、強がって「どうでもいい」って友達には言ってみたけど貴方を目で追ってしまう。視界に入れたくて仕方がない。
「昨日の私はいいなぁ。」って昨日の自分に嫉妬する。

会社では、香りの強いものはだめでいつもほんのり香る柔軟剤の匂いに貴方の存在の近さを感じていた。
いつも私に気を配ってくれていて、強がりな私は絶対に仕事で助けを求めることはないけど、貴方はそんな私から目を離さずに助けてくれてた。
社会人1年目の冬、仕事にも慣れて残業が減ってきた。
私が先に家に帰ると後から帰宅する貴方は必ず「アイス買ってきちゃった」ってアイスの入った袋を満面の笑みで渡してくる。
貴方が先に会社を出てたら私が終わるまで外で待っててくれてて「一緒に帰ろ!」って手を引いてくれる。
「待ってなくて良いのに!手が冷えてるじゃん!」という私に「俺が待ってたら一緒にアイス選びに行けるじゃん!俺の仕事終わりの楽しみなんだよ!」っていう貴方。(私と付き合うまではアイスなんて食べなかった癖に^^)って微笑みながら君の半歩後ろを歩く。
私の好きなアイスを左手に右手には私の好きな貴方。
仕事終わりの貴方といる時間、ううん、貴方の体温を感じられる時間がとても好きだった。

そこそこ会社での地位を手にした私たちは、アイスなんて食べなくなっていた。いや、食べなくなってたのは私だけか…
変わらずアイスを買ってくる貴方に私は「冷凍庫に入れといて」ってアイスの袋を受け取りに行かなくなっていた。
「一緒にアイス食べようよ」って待ってる君、「そんな時間ないよ」ってお風呂に入る私。
変化を望まない何も変わらない君と会社での責任に手を抜けない私はすれ違うようになっていた。

忙しさも過ぎ君との時間が取れると喜んでいた私に、もう君は待ってなかった。
「やっとゆっくり話せるね。これからの話をしよう」という貴方はもう私の事は見てなかった。
この後は想像の通り別々の道に進んで行った。


陽の光を眩しそうに見つめる貴方の横顔を見つめる私。
(昨日の私はずるいな…別れ話でも貴方の顔を正面から見れて。)
「昨日の私は今日の敵だ。」



                おわり

written by いのり

エピソード投稿者

いのり

女性 投稿エピ 4

大学4回生になります。 私の思い出をエピソードにできたらいいなと思っています。