恋というには淡すぎる

コンテンツ名とURLをコピーする


「はぁ…」

ため息をつくたびにお酒と煙草の量が増えていく。

私には今、気になる人がいる。

同じ職場の裕貴。

同期で同い年の彼とは色々あって時々一緒に寝る中だった。

でもある日を境に彼と私の関係は変わった。

彼とキスした夜からだ。

冗談なのか本気なのか分からない彼からのお願いでキスをしたけど。

「やっぱりあれが原因だよねぇ…」

好きでもない人にキスなんてしないけど、仕事や慣れない土地でストレスが向こうも私も人肌恋しかっただけなのかな。

返信のこないトーク画面を眺めながらまたタバコに手を伸ばす。

「恋ってなんだっけ」

独身貴族というには若すぎるけど20代半ばで1人を楽しんでる私にはそもそも恋愛なんてむかないのかも。

最後に交際してたのも3年前だしなぁ。

「……こんなことでモヤモヤしたくないのにぃい…」

ソファーに沈みこんでプレイリストをひらくと、出てくるのは貴方が歌ってくれた曲ばかり。

「……恋じゃない…」

私の気持ちはまだ淡すぎるから。


これはきっと恋じゃない。

written by みゆみ

エピソード投稿者

みゆみ

秘密 投稿エピ 14

私の短い人生の中で起きたまるで恋愛小説の様な体験を誰かと共有できたら嬉しいです。 小説サイトで活動してます。ただの社畜です。