私のヒーロー

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高校三年生の時、塾が一緒の男の子がいました。その子は県内1の超進学校に通っていて、英語のクラスが一緒でした。彼は頭も良く、クラスのムードメーカー的存在でした。私は塾に同じ学校の人が殆どおらず、塾では一匹狼を貫いていたので、その子とは顔見知り程度の関係でした。当時の私は英語の授業では周囲の人達との学力に差があり、毎回当てられて自分だけが間違えるのが怖くて授業中ずっと震えていました。
ある日、いつものように自習室で自習していると、その男の子が隣に座ってきました。その日はそれに構うことなく自習を続けましたが、その子は次の日もその次の日もずっと私の隣に座ってくるようになりました。最初はここの位置がお気に入りなのかな?と思っていましたが、私も彼のことを意識していくうちに、自習中、彼が時々こちらを見ていることに気が付きました。彼の意識が明らかに自分に向いていると感じた私は、私の事を好きなのかも知れないと意識するようになり、だんだん隣に座ってくる彼にドキドキするようになりました。私の隣の席に彼より先に別の子が座っていた日は、その子が帰った後にわざわざその席に移って座ってくれていました。彼は自習はしていたけど、疲れているのか、よく机に伏せて寝ていました。
それからは英語の授業でも彼のことを意識するようになりました。彼は、少し授業についていけてない私とは違って当てられたら必ず正解するし、ムードメーカーでクラスのみんなを楽しませていました。そんなかっこいい彼に私はどんどん引き込まれていきました。明らかに私には勿体ない人でしたが、今まで怖くてたまらなかった英語の授業が少しずつ楽しみになっていきました。
彼が私に好意があったのかは分かりませんが、彼のおかげであんなに怖かった英語の授業への緊張を和らげることが出来たので、本当に感謝しています。受験が終わっていつかチャンスがあれば、彼に感謝を伝えたいです。

written by くらげ

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くらげ

秘密 投稿エピ 2