夢の記憶

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校門に経つと綺麗な桜が舞っていた。
その日は高校の説明会。無事に説明会は終わり小学校からの友達の「 妃( さき )」と混雑している靴箱に向かった。私よりも少し前にいた混雑の中で友達とジャれている1人の男の子の笑顔がとても素敵で目が離せなくなり急いで靴箱から出た私は男の子に咄嗟に声をかけてしまった。
私「この学校の新入生ですか!?」
男の子「そうだよ、、笑 」
彼はハニカミ笑いをしながらそう言った。
私「そっか、、!」
私はその笑顔に浸る間もなくその場から走って逃げてしまった。恥ずかしさと大興奮で心の中では大会議中だ。名前も知らない彼に恋をした。一目惚れであり初恋だった。
入学式当日、クラス発表、、
妃とは同じクラスにはなれなかった。神さま仏さま " 彼と同じでありますように " と祈りながら1-3の教室に入った私は彼の姿を探すがホームルームの時間になっても彼の姿は見当たらない。
式中、話を聞いてられるはずも無く大勢の生徒の中から彼の姿だけを探しましたが彼の姿は見つからなかった。
帰りのホームルームが終わり混雑している靴箱を出て家への帰り道で走って坂を降りてくる坊主の集団の中にあの時の彼がキラキラしてる笑顔で私の横を通り過ぎた。幻覚かと思ってビックリした。
すぐに彼だと気づかなかったのは髪型が坊主になっていたからだ。彼だということに気づいた私は少し先で信号待ちしている彼の所まで走って
私「 LINE交換したいです! 」
彼「 … 」
男の子「 カイトはやっぱモテるわ〜 」
と隣で彼のことを茶化した坊主の男の子は
私の保育園からの幼なじみの「 英理( えいすけ )」だ。
私「 えー!英理なんでこの人と一緒にいんの!?」
英介 「 俺とカイトは昔おなじ野球チームだったんだよ! 」
私「 彼に私のLINEあげててっ!!(小声) 」
カイト「 やだよ(笑)」
私「 お願いね!待ってるから!じゃあまた! 」
私 ( 聞こえてるんかーい! )

LINEは交換できなかったけど彼の事を少し知れた気がして嬉しかった。
私( カイト君って言うんだ!! 次は1人でいる時に話しかけよう! )
それから学校で見かける事は何度もあったが、
彼の周りにはいつでも人が群がっていた。

事件は何気ないある日の夜に起きた。。
明日の準備も終わった。私は寝る準備万端だった。

LINE 「 カイト が友達追加しました 」
LINE 「 カイトがスタンプを送信しました 」

( 後から話を聞くとカイトが英理に私のLINEが欲しいと 頼んだらしい )
即返信したら即返信きた。
私達はたわいもない話を毎日飽きずに話してた。
私達は一緒に下校もするようになり、
カイトの部活がオフの日には放課後に遊んだりもした。
2人で集まる場所は決まって海だった。
浜辺の噴水で水を掛け合ったり海に落とそうとしたり、
酷いのは水の中に携帯落として水没させてしまったこともある。笑
カイト「 俺はおまえのことがすき 」
ある日カイトから貰った私へのメッセージ。
それだけだった。お互い気づいていた。両思いなのは気づいていた。だけど カイトから " 付き合って " とは言われなかった。言えなかった。
それから制服が夏服に変わった頃にはきっと " お互い好き同士なのに友達 " という曖昧な関係になっていた。
汗っかきのカイトが校庭でサッカーをしながら毎日違う色のタオルで汗を吹いてる姿を私はスタンドでみる。これが日課だった。だからカイトの誕生日にはタオルをあげた。蛍光色でとても目立つ色を選んだ。目立つように。私があげたものだと分かるように。
だんだん涼しくなってきた高校1年の秋になると、
カイトは冬練が始まり忙しい時期になってしまった。
そんな事に気づかない私に愛想を尽かしたカイトは
私の連絡先を消した。
それから今までみたいにわざとゆっくり2人で帰ることも
放課後も会うことは無くなった。
出会う前より深い距離が出来てしまっていた。
隣にカイトは居なくても思い出の海に1人で通った。
なんでだろう。1人で来てもここは安心する。
( 私はあの大好きな笑顔を当たり前にしてしまっていた。
存在が当たり前になっていた。わがままになりすぎてしまった。後悔しか浮かばない。ああ今日もまたカイトのこと考えてる。忘れろ忘れろ。← おまじない )
最近はずっとこれのループだ。
今日も今からあの海に寄り道だ。涙が溢れてきた。
涙が止まらない。会いたい。 そんな時だった、、

「 わあっっ!!! 」

一瞬時間が止まって振り向くとそこにいたのはカイトだった。泣いてるのが見えて心配で追いかけて来たらしい。
それから2人で少し追いかけっこをしたら涙なんか引っ込んでた。砂浜に座って話をしたけど私から出てくる話題はしょーもないことばっかり。町の街灯が光るまで一緒いたことはこれが初めてだった。しかし思い出の場所で彼と会うこともこれが最後だった。

〜〜 あれから2年経った今、

私達は私達が出会った高校を卒業しました。

英理いわく、カイトは次の進路も決まって
野球も相変わらず頑張ってるみたいです。

私はというと、
今でも辛いことがあった時にフラ〜っとあの海に立ち寄ると頑張るぞって気持ちになれます。
いつかあの思い出の場所で偶然会えた時はあの時本当に話したかったこと言えるといいな。それまでは思い出としてちゃんと閉まっときたい。

私がこの先どんな恋をして結婚をしても、
走馬灯に1番最後に出てくるのは必ず彼との思い出でしょうね。

written by ああ

エピソード投稿者

ああ

秘密 投稿エピ 1