最後の青春

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これは私の高校の卒業式の日の話です。

私には密かに思いを寄せていたクラスメイトの男の子(以後、彼)がいました。彼はサッカーが上手く、プロを目指すほどでした。
彼と仲の良い男の子も混じえ、3人でよくご飯を食べたり、話したりしていました。私は彼らによくいじられていましたが、それも楽しかったです。

卒業式前日、LINEで私は彼に
「明日第二ボタンちょうだい」
と言ってみました。
すると彼から
「どーしようかなー」
と返事か来たので、他に好きな子がいるのか、あげる人が決まっているのか不安になり、
「貰ってくれる人いなかったらね!笑」
と本気じゃない感じで返信してしまいました。

当日、卒業式も無事に終わり、彼と仲の良い男の子と彼の2人が帰ろうとして廊下に出た時、人が沢山いたので正直とても恥ずかしかったのですが、彼のリュックを引っ張り呼び止めました。
振り返った彼に私は言いました。
「第二ボタン、ちょうだい?」
彼は外そうとしてくれましたが、なかなか取れず、
「校門の所いるから後で来て」
そう言って行ってしまいました。
私は最後に友達と写真を撮る約束をしていたので、下校時間ギリギリまで校舎に残っていました。
彼が行ってから1時間は経っていたと思います。
「彼も忙しいし、1時間も待ってないよなぁ、」
そう思いながら1人で正門に向かいました。
しかし、背の高い彼の頭部が、門越しに見えたのです。走っていき、周りには男の子たちがたくさんいましたが、もう一度言いました。
「、、第二ボタン、くれるの??」
すると彼は
「しょうがねぇなー!」
といい、ボタンを外して私にくれました。
「貰ってくれる人いなかったんだね!笑」
と茶化すように私が言うと、彼は
「(私の名前)がくれって言うからー!」
と照れくさそうに言ってくれました!

後でわかったことなのですが、彼はサッカーのために地方へ引越していて、当日中に引越し先へ戻らなくてはいけなかったらしいのですが、私にボタンを渡すから、と言って1時間も校門で待っててくれたそうです。
私たちはこれからも親友という関係ですが、最後に好きな人から第二ボタンを貰えたことはとても嬉しかったです!

written by てぃちゃん

エピソード投稿者

てぃちゃん

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