推しが紡いでくれた恋

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これは今から5年前、私が17歳だった時の話です。
私は小さな頃からアニメや漫画が大好きで、中でも某スクールアイドルアニメが大好きでした。でも私の周りの友達は皆オシャレなちょっと派手目の子ばかり(私も)だったのでオタク趣味を隠しながら高校生活を送っていました。とある昼休み、スピーカーから聞き覚えのあるイントロが流れ始め私は一瞬であのアニメの歌だと分かりました。クラスでは「うわあああ!」と静かに歓喜する同志と「なんやこれ」というクラスメイトで分かれていました。しかもその曲がファイナルライブの最後で歌われた曲だったので私はあの時の感動が蘇ってきてしまい「ごめんトイレ!」と言って教室を飛び出し誰もいない体育館裏のベンチに座って1人泣いていました。それから数分して顔を上げると隣のベンチにも顔を覆っている男子が座っていました。
「…日高?」私がそう声をかけるとその男子はゆっくり顔を上げて私を見るとギョッと驚いた顔をしました。日高は同じクラスだけど女子嫌いと噂で私も1度も話したことが無かった男子でした。クールというか性格が悪そうなイメージだった日高がこんな時にこんな所で泣いてるという事はもしかして…?と思っていると「南…お前顔やばいぞ」と言われ、いきなり失礼なやつ!と思って鏡を見ると泣いたので化粧が崩れてしまっていました。日高の隣に座り、化粧を直しながら「これ好きなん?」と聞くと日高は「うん、ファイナルライブも行ったで」と聞いてそこから一気に意気投合した私達は昼休みを全て語り尽くしました。そのままの流れでLINEを交換し、ほぼ毎日話すようになりました。内容はアニメの話から日常生活、たまに恋愛についても話したりしました。話していくうちに彼のさり気ない優しさや普段からじゃ想像出来ない可愛い笑顔に気付いたら私は彼のことを好きになっていました。
そんな時、彼から一緒に遊びに行こうと誘われ、2人でアニメショップを巡ったりカフェに行ったりしました。
その日の帰り道、誰もいない公園のベンチで「クラスの女子って苦手やったし、正直南達みたいな派手な奴らは嫌いやったけど、話してみて俺見た目だけで決めつけてしまってたなって思った。南の事好きやから付き合おうてくれん?」と言われ、私は即OKしてお付き合いが始まりました。
友達に話すと初めは「いつの間に!?」と驚いていましたが応援してくれました。
それから私達は一緒にライブに行ったり、お互い受験勉強に励みながら高校を卒業。そして大学生になり4年間の遠距離を乗り越え、先日彼からプロポーズされました。
あの時、あの曲が流れていなかったら私たちはあのままお互いを誤解したまま話すことなく卒業してしまっていたと思います。私達を巡り合わせてくれた推しに心から感謝をしています!

written by みなみすけ

エピソード投稿者

みなみすけ

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