君の少し不器用でほんのり甘いそんな嘘。

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公園のベンチでふたりお花見を楽しんでいると、隣の君がぽつりと口を動かした。


「──俺、告白するから」


ずっと片想い中だった君に突然そんなことを告げられ、私の頭は真っ白になっていく。


それはすぐに次の言葉が繋げられないほどの、大きなショックだった。


……でも、好きな人の恋だもん。
……ちゃんと応援、しなきゃ。


「へ、へぇ……!そっか、頑張ってねっ」


今にも視界がにじんで風に舞い散る桜のように涙がこぼれ落ちそうにながらも、なんとか明るい口調で君に笑顔を向ける。


……最初から分かってた。
君の好きな人は、私じゃないことくらい。


でも、それでも、どこか淡い期待をしていた私はバカなのかな。


そんなことを頭のなかで考えていると


「ばか……、素直に引っかかってんじゃねぇよ」


不機嫌そうな声が返ってくる。


「……えっ」


やっぱり、私ってバカなの……!?


って、あれ?
引っかかったって、どういう意味?


ぽかんとなりながら、次の言葉を待っていると


「……こんなの、菜乃(ナノ)がどんな反応するか試してみただけだし」


目を伏せた君の頬がほんわり桜に色づく。


「……え?それなら告白っていうあれは……嘘、だったの?」

「仕方ないだろ……、菜乃の気持ち確かめたかったんだよ」


悪いか、なんてバツが悪そうに君は首筋に手をやって髪をかいた。


……ねぇ、そんなの聞いてない。
そんな嘘、ズルすぎるよ。


「私も……好き、です、桜雅(オウガ)くんのことが」


ずっと心の奥底に秘めていた気持ちを、精一杯の声で口にすると、こつんとおでこがくっついた。


「……っ、」


今度は私が伝染したみたいに、顔がさくら色に染まっていることだろう。


「お前ホント反則……、可愛いすぎだから」


エイプリルフールについた君の嘘は、少し不器用でほんのり甘いそんな嘘でした──…

written by :*✿ひめりぃ✿*:

エピソード投稿者

:*✿ひめりぃ✿*:

女性 投稿エピ 41

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