覚えていてくれた花束

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私は今務めている職場を退職することになり、職場が同じだった彼とは別々で働くことになっていました。
ある日テレビを見ていた時に恋人からサプライズで花束を貰っている場面がありました。「あーゆうの、いいよね」と彼に話しかけると「いやいや、うちに花瓶ないしあんりはすぐ枯らしちゃうでしょ」と冷たくあしらわれ、「なんでそーゆーこというのかなー、まったくもう!」「しかももうすぐ職場違くなるんだよ!寂しくないの?」「家に一緒にいんだからそんな変わらないでしょ」などと小さな喧嘩をしてしまいました。その日からもやもやと私の中で腑に落ちない感情があり、彼とぎこちなくなってしまいました。
私が最後に出勤する日、彼は夜勤だったので私が帰る頃には彼は職場に行ってしまい入れ違いとなっていました。
その日家に帰ると、テーブルの上に大きな花束がありました。そばに手紙があり、「長い間おつかれさまでした。次の職場でも頑張るんだよ」と二言。あの時のことを覚えていてくれたことと、労いの言葉を改めて手紙で言ってくれたことがすごく嬉しく、もう同じ職場で働けない寂しさに涙してしまいましたが、ぎこちなくなってしまったのにも関わらずこんなサプライズを用意してくれた彼がもっと好きになりました。
その後、花瓶を買ってお花を楽しんだ後にドライフラワーとして飾っています。

written by あんち

エピソード投稿者

あんち

女性 投稿エピ 4