後輩

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私は高校で吹奏楽部に所属していて、トランペットを担当していました。3年生になった春、高校で初めて部活に同じ楽器の後輩が出来ました。背が高くてひょろっとした元気な男の子で、人見知りの激しい私は、絶対仲良くなれないだろうな…と思っていました。
しかし、思っていたより打ち解けるのに時間はかからず、出会って数週間たった頃には練習の休憩中によく共通で好きなゲームの話をするようになりました。
後輩は、演奏の時に乗っているひな壇から私が降りる時、必ず手を差し出してくれたり、何かと気遣ってくれていて、気が付いたらそんな後輩のことが気になるようになっていました。
そして月日は一瞬で流れて、私が引退するコンサートの日になりました。今年はコロナウイルスの影響で参加する予定だったコンクールのほとんどが無くなっていたので、少ないですが観客に聞いてもらうステージはそのコンサートが最初で最後でした。
最後のステージということで、少しだけ髪を巻いて本番に望んだのですが、私が普段オシャレに無頓着だからか後輩は本番前に何度も「可愛い」と言ってきて、凄くドキドキしました笑
その後引退し、卒業しましたが、私は卒業後就職するし、後輩には部活を頑張って欲しかったので自分の想いを伝えることはしませんでした。
後輩が私のことをどう思っていたのかは今も分からないけれど、仕事が落ち着いてきたら、また様子を見に行ってみようと思います。1年間本当にありがとう。君が最初で最後の後輩で良かったです。

written by おかき

エピソード投稿者

おかき

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