君は本命だから俺とおそろね。
｢わぁ～ありがとう♡｣
｢クッキーだ！｣
なんて、女子の黄色い声が廊下中に溢れるなか。
私だけが何故だか、まだお返しをもらえていません。
皆はもらえてるのに……！
なんで！？どうして！？
私はそれ以下ってこと、？
｢はぁ……。｣
なんか傷つくなぁ……。
皆に同じのをあげてるから、たぶん本命ではないんだろうけども。
それでも、私にもくれたっていいじゃないか……。
がっくり肩を落としながら、教室に戻ろうと背を向けたつぎの瞬間。
――グイｯと後ろに腕を引かれた。
｢うわっ！？｣
バランスを崩してよろけそうになるけど、
あれ……。そのまま立ってる、？
｢大丈夫？｣
｢う、うん……大丈夫、！あ、ありがと……｣
あぁ、奏斗(ｶﾅﾄ)がすぐに支えてくれたんだと気づく。
元はといえば、よろけたのはあなたが引っ張ったのが原因だけどね。
｢ちょっと、結々(ﾕﾕ)に用があってさ｣
｢な、なに……？｣
｢はい、これ。ホワイトデーのお返しなんだけど｣
｢え、これ……｣
……クッキー、じゃない？
奏斗から渡されたのは、星のブレスレットだった。
｢結々は本命だから俺とおそろね｣
見ると、奏斗も同じのを手首につけていた。
本命だとか、ペアブレスレットとか、
反則だ……っ。
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:*✿ひめりぃ✿*:
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エピソード投稿者
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