「僕たち、もう友達だね!」
君の笑顔が、いつもまぶしい。
温かくて、心地いい。お天道さまみたいだ。
中学二年生に進級したと同時に、
私は同じクラスになった男の子に恋をした。
✻
「じゃあ、二人一組でペアを組んで、
ディスカッションしてみてください」
そう先生が言って、みんなが一斉に席を立つ。
みんなは既に組む友達は決まっていて、
何も言わなくても会話を始める。
でも、私のもとには誰も来ない。
私はしょうがなく、教室の隅の目立たないところで
じっと立ってることにした。
クラス替えのせいで友達と二クラスも離れてしまい、
私はずっとクラスで浮いている存在だった。
友達は休み時間に会いに来てくれるけど、
最近は部活が忙しいと言ってしばらく会えていない。
今まで友達に甘えすぎてきたから、
私は早くも「孤独」なことが耐えられなくなっていた。
そんな時、
「君、一人なの?」
空から、救いの声が降ってきたのだ。
「…私?」
「うん!君だよ!」
男の子はにこっと笑う。笑った顔が超絶可愛い…
声は高くて女の子みたいで、きっともっと髪が長かったら
女の子と勘違いしているほど。
「自己紹介の時、ちょっと気になってたんだ!
君も、あのマンガ好きなんだね!僕も好きなんだ!」
「…」
まだうまく打ち解けることができない私に、
男の子は少しでも私の表情を和らげようと、こう言った。
「僕と、友達にならない?」
その時伸ばされた手を握ったぬくもりを、今でも忘れることはない。
私は、日々その男の子と会話する度、惹かれていった。
今までに会ったことのない無邪気で純粋な男の子。
こんな子、世界中のどこを探してもきっといないだろう。
ずっと、大人になっても彼の隣にいたい。
そう決心して、私は思い切って告白したんだ。
だけど、返事はこうだった。
「ごめん。僕、君の気持ちにこたえられない」
「…え、どうして…?」
「あのね、言ってなかったんだけど、僕実は…」
恥ずかしそうに微笑む男の子は、頬を掻きながら
語り掛けるように私に言った。
私は、男の子の何を見ていたのだろう。
あんなに一緒にいたのに、男の子に彼女がいるなんて
一ミリも気づくことができなかった。…そうだったんだ。
私は、彼のことをよく知っているつもりで、
なんにも知らなかった。
だから、もし告白が通ったとして、付き合えたとしても
すぐに破局することだろう。
涙が頬を伝う。でも、私は言った。
「ありがとう…っ…」
私はまだ恋というものを知らない。
でも、この男の子のおかげで、私は大事なことを学ぶことができた。
いつかまた、私に好きな人が出来たら、
君が教えてくれたことを思い出すよ。
「また、僕と友達になってくれませんか?」
私は私に伸ばされたその手を、
じっと見つめながらやがて握る。
男の子の手のぬくもりは、やっぱり太陽みたいに温かくて、心地よかった。
written by 仁 華 .
Sponsored Link
漫画化……「雨がやまなければいいのに」 「先生が好きでした。」 Youtube……「雨がやまなければいいのに」 7万回再生ありがとうございます! ------ 歌い手さんとYouTuberさんが好きすぎて 死と隣り合わせのFJKです。 普段はネットでのんびり小説投稿中です! ここでは主にオリジナルのエピソードを 投稿してますっ⸝⸝- ̫ -⸝⸝ 暇つぶしのお供にでもどうぞ✨