「それでは今日も1日宜しくお願いします!」
社会人5年目にして役職を貰った私は歴史あるホテルのマネージャーとして働いてる。
忙しい毎日を過ごしながら楽しい毎日の中でひとつだけ悩みが…。
「はぁ…」
喫煙所の壁に寄りかかりながら煙草に火をつけようとライターを取り出すもカチカチと音だけが響く。
「もうっ…なにこれ」
イライラしながらメンソールのカプセルをかみ潰せばカチッと目の前に火が。
「お疲れ様です、マネージャー」
「…ありがとう、霜月」
ライターを手に持ち無表情に立つ私よりと少し高い背丈の彼は同期で同級生の部下。
「顔色悪いですよ、大丈夫ですか?」
そう言って隣に立つ彼も制服のポケットから煙草を取り出す。
「大丈夫よ、心配ない」
ふっーと息をはけば白い煙が宙を舞う。
その煙を目で追えばそっと目の前に影が出来た。
近距離にある長いまつ毛とホワイトティーの香り、そして彼の煙草に火種をうつす私の煙草。
「嘘つき」
「お前の大丈夫は口癖だろ。本当はもういっぱいいっぱいですって目が助け求めてる」
距離を変えずポンポンと私の頭を撫でる彼が微笑んでる。
「明日休みだろ?今日付き合ってやるならゆっくり寝ろ」
ある事がきっかけで不眠症の私は週に1度彼と共に同じベッドで眠る。
でも。私達はまだ付き合っていない。
written by みゆみ
Sponsored Link
私の短い人生の中で起きたまるで恋愛小説の様な体験を誰かと共有できたら嬉しいです。 小説サイトで活動してます。ただの社畜です。