日向(ヒュウガ)くんがリビングのソファで、何やら真剣に雑誌を読んでいる。
「なに読んでるのー?」
気になって表紙のタイトルを確認すると
「ふぇっ?ウェディングドレス、?」
日向くんが手に持っていたのは、ウェディングドレスのカタログだった。
でもどうして日向くんが持っているんだろう?
そう不思議に思っていると、日向くんが愛おしそうにまたカタログを見つめる。
「これ、俺のお姉ちゃんが借してくれたやつなんだけど。はのんが着たら絶対可愛いんだろーなって妄想がふくらんで、気がついたらつい夢中で見入っちゃっててさ」
「……っっ、」
「あれ。はのん、どしたの?そんな顔真っ赤にさせて」
日向くんがにやりと口端を持ち上げる。
「か、可愛いって言うから……、」
「あーそれで照れちゃったの?」
素直にこくっと頷くと、
「もう、ほんとにいちいち可愛いんだから。こっちおいで」
膝の上にぽんぽんと手招きされる。
私はほっぺたを熱くさせながらも、ちょこんと日向くんのお膝の上に座ると。
日向くんにすぐ手を回され、私のお腹あたりに固定される。
「お嫁さん……」
「ん?」
「私なんかでいいの……?」
「ふふ。いいのっていうよりは、はのんじゃなきゃダメなんだけど」
「えっ」
「逆に、はのんはいいの?俺で」
日向くんに顔を覗かれる。
「それはもちろん!!もうぜひっっ」
熱く答える私に、日向くんはフッと目を細めながらふわりほほ笑む。
「ならよかった」
その笑顔に見とれている隙に、不意打ちでほっぺたにキスなんか落とされた私の顔はもうゆでだこ状態。
湯気が出そうなほど恥ずかしがる私に、日向くんはいたずらっぽく笑っている。
そんな表情さえもカッコイイなんて、ほんとうに甘くてずるい。
written by :*✿ひめりぃ✿*:
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