雪と月明かりの夜に。

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高校3年間私はコンビニでアルバイトをしてた。

街中にある繁盛店からOBである先輩に引き抜かれ学校の目の前にあるバイト先で働いてた。
学校の先生や後輩、同級生達が沢山くるなか私が卒業を迎える少し前。お店の移転が決まった。
そして最後の営業日。
「みゆちゃんー!!長い間本当にありがとう!!卒業して地元戻ってくることになったらいつでも雇うからね!!」
お父さんのように優しく見守ってくれてたオーナーが少し早い卒業祝いとして花束と私の好きなお菓子を沢山くれた。
「オーナー…みんな。本当にありがとうございました!」
色々な思い出が溢れかえり泣き出してしまった私。
「お迎えきてるから早く行ってあげな?彼とも仲良くね!!結婚式には呼んでおくれよ!」
「ぐすっ…お迎え…?」
涙目で外に出れば私があげたマフラーを首に巻いた彼の姿。
「優…??」
「お疲れ。また泣いてんの?」
ポケットから手をだしそっと私の涙を拭う彼。
「なんで…?」
「俺もこの店とオーナーには沢山お世話になったから挨拶と泣き虫彼女の護衛」
お店の人達に見守られながら私は優と手を繋ぎながら帰路についた。

「オーナーが結婚式には呼んでくれって言ってた」
泣きすぎて鼻声になりながら雪道を踏みつける。
「そう遠くない未来かもなぁ。それ」
「え?」
「ほら、早く帰るぞ」
言葉の意味を知るのはもう少し先だったけど。
月明かりに照らされながら握りしめた手がずっと離れないように強く握った夜でした。

written by みゆみ

エピソード投稿者

みゆみ

秘密 投稿エピ 14

私の短い人生の中で起きたまるで恋愛小説の様な体験を誰かと共有できたら嬉しいです。 小説サイトで活動してます。ただの社畜です。