受け継がれた手土産

コンテンツ名とURLをコピーする

これは私の両親に結婚の挨拶をしたときのエピソードです。

彼からプロポーズを受けたあと、いよいよ両親に結婚の挨拶をする段取りとなりました。
日取りも決まって残った最大の問題と言えば、挨拶の時の手土産。

彼「そういえばさ、挨拶の時の手土産って何がいいかな?」
私「そうだねー、嫌いなものはないからなんでも喜ぶと思うけど…あ、そうだ!」
この時、私には両親にまつわるエピソードと共にある手土産が思い出されました。そして、その手土産を私たちも持っていくことにしました。

そして当日。
手土産を渡し、結婚の挨拶を彼がしてくれました。
彼「娘さんの事を一生大事にしていくので、結婚のお許しを頂けないでしょうか。」
父「本当に優しい子なので、大事にしてやって下さい。2人で協力すれば大概のことは乗り越えられるから。」
母「本当に大事に育ててきて、私達なりに他所様に出しても恥ずかしくないように、育ててきたので、よろしくお願いします。」

この挨拶の後、夕食も一緒に取ることとなり、彼の手土産を開けることに。
開けた瞬間、父の顔が懐かしそうな顔になりました。
それもそのはず。手土産として私たちが選んだのは日本酒の真澄。
これは父が母の実家へ結婚の挨拶をしにいくときに持っていった手土産だったのです。
祖父がお酒好きだったこともあり、友人と相談して用意した父にとって思い入れのあるお酒。その事を思い出して、娘からの最後のサプライズとして真澄を手土産に選んだのでした。

父「そうなんだよ。母さんを嫁にもらいにいくときにこれを持っていったんだよ。」
父「お義父さん、これは良いって喜んでくれたんだよなぁ。」
と、嬉しそうに開けて、彼とお酒を酌み交わしていました。
受け継がれた手土産と、2人でお酒を酌み交わしている姿を見て、改めて彼と家族になっていくんだなぁと幸せになりました。

written by ゆったん

エピソード投稿者

ゆったん

投稿エピ 5