好きだったのに

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私が小学生の頃、帰り道が一緒だからとよく一緒に帰る男の子(以後Aくん)がいました。Aくんは本が好きで毎日図書館に通って本を借りたり、頭が良くて勉強を教えてくれたり、変わってるところもあったりする子でした。
初めはただ一緒に帰りながらなぞなぞとかクイズとか早口言葉とかそういうことをしながら帰る子としか思ってませんでした。
けどある時私の友達が「Aくん、○○ちゃん(私)のことが好きらしいよ。」と言われてびっくりしました。それ以降、恋愛を気にしてこなかった私が気になってしまうようになりました。それから図書館に寄ってる時はいつもはさっさと帰ってしまうところをわざと私も図書館に行ったり、玄関辺りでまったりするようになりました。けど、好きかどうかは分かりませんでした。
またある日、体育館で授業をしている時友達が「今日○○ちゃん(私)に告白するらしいよ」と言われました。帰りの時間まで緊張です!まだ好きかどうかも分からないのに付き合っていいんだろうかと思いました。
帰り道、Aくんが学校から少し歩いたところで立ち止まりました。私はドキドキしながら立ち止まり、「どうしたの?帰らないの?」とすっとぼけました。Aくんが言葉を濁しながら「○○ちゃんが好き。」とだけ。私は嬉しかったです。好きってこういうことかもしれないと思って告白をOKしてその日から付き合うことになりました。
けれどいい事ばかりじゃありませんでした。好きと分かってから私は凄く嫉妬深くなってしまったのです。Aくんには他にも私と同じように話せる女の子がいて、普段は私と話さないのにその子だけ話すことに嫉妬してしまい、ついに帰り際に泣きながらその事を話しました。今思えばやべえやつだと思っています。付き合ったまま中学にあがり、クラスが離れ、バス通だったこともありだんだん話さなくなってきました。ある、花火大会の日、友達と遊びに来ていた私はAくんを見つけました。友達が話してきなよと促され少し歩くことになりました。久々に話すので緊張したこともあってか、自然消滅状態になっていたので「私たちってまだ付き合ってるの?」と聞きました。「多分付き合ってる。」とAくん。私はまだ好きなのに多分Aくんも私のことが好きなのに、嫉妬深くなった私は私を好きじゃなくなったと思ってしまい「私はこんなの付き合ってるなんて思えない。Aくんも私以外の人と付き合った方が幸せだと思う。別れよう」と言ってしまいました。Aくんは「分かった」とだけ言って1人で歩いていきました。私はバクバクとした心臓を抑えながら友達のところに戻って「別れちゃった」と報告しました。
それからの学校生活はクラスが違うのでほとんど話せませんでしたが、バスでたまたま同じ席になった時に少し会話をしたのは覚えてます。中学校を卒業したら連絡先も分からないまま、勇気もないので友達にも聞けないまま疎遠になってます。
結局私は別れて何をしたかったのか分かりません。好きなのになんで別れたのか、嫉妬深くなったせいで束縛をしたくなかったのかもしれません。
長々と読んでいただきありがとうございました。好きという気持ちは難しいですね。Aくんにも悪いことしました。Aくんには幸せになって欲しいですね。

written by さとう

エピソード投稿者

さとう

女性 投稿エピ 1

女の子を描くのが好きです。