不器用な恋、始めました

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好きな人ができました。
お調子者で、おバカなことばっかりする彼。
でも意外と勉強ができたり、彼のさりげない優しさを知って、最近好きだと自覚しました。
彼とは前からよく話す関係だったけれど、好きだと自覚してからはもっと話すようになりました。


そんなある日。
私と彼は掃除当番の班が一緒なので、一緒に教室の掃除をしていました。
ほうきをしている間でも私と彼は会話が弾んでいました。
「そろそろ机運ぼっか!」という友達の声が聞こえたので、彼は私と話しながらほうきを窓辺に置き、私も話しながら同じ場所にほうきを置きました。
 机を運びながらも話していると、気づけば机運びに夢中になり、いつの間にか会話は終わっていました。
さほど気にせず机を運び続け、あっという間に机を運び終えました。机を運び終えた後は、もう一度ほうきをしなければならないので、私は窓辺に立てかけたほうきを取りに行きました。


 彼はすでにそこからほうきを取っていたにも関わらず、なぜか窓辺に立っていて、私は不思議に思いながら近づいていきました。すると、彼は私のほうきに手を伸ばしました。

「ん」

 そう言って少し照れくさそうにほうきを差し出してきたのです。
でも彼の目はまっすぐ私に向いていて、私は恥ずかしさと驚きで目を逸らしてしまいました。そして精一杯、はにかみながら「わぁ、ありがと〜」と言ってその場を立ち去りました。

今までそんなことしたことなかったやん!?
私がほうき取りに来るの待ってたんかな、、?
ほかの子にそんなことしてるの見たことない!!
もし私にだけそんなことしたんやったら、期待してしまうやん!!
とにかくいろんな感情が押し寄せてきました。
そして、ただただ彼の優しさにきゅんきゅんしました。


そんな不器用な恋、始めました。

written by あめ

エピソード投稿者

あめ

女性 投稿エピ 12