レジのおまけ

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レジの店員さんに一目惚れするなんて、そんなベタなことはドラマや漫画だけのものだと思っていた。

偶然入ったコンビニのレジに立っていた彼に、一目惚れした。
それまで全く寄らなかったコンビニなのに、毎日のように通っておにぎりを買うようになった。
名札を見る限り、彼はアルバイトのようだった。
砂川(さがわ)。それが彼の苗字だ。

「ほんと好きだね、砂川くん」
友達にそう言われててしまうほど、私は彼のことを見ていた。
でも私には話しかける勇気なんてないし、所詮叶わぬ恋なのだろうか。

そんな風に思って半分以上彼のことを諦めていたある日のこと。
「レジ袋に、おまけも入れていきました」
砂川君のレジで会計を済ませると、彼はそんな謎の言葉を私にかけてきた。
その時は何のことかさっぱり分からなかったが、コンビニを出てからレジ袋を覗いてみるとそこには紙切れが一枚入っていることに気づいた。
それには、彼のメールアドレスと彼の名前が。
慌てて振り返って中にいる彼を見ると、彼は他の人の会計をしていて私は気づいていなかった。

その日から私は彼と連絡を取るようになり、今では2人で手を繋いでコンビニでおにぎりを買っている。

written by 日向 葵

エピソード投稿者

日向 葵

女性 投稿エピ 13