名前が全てじゃないから

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私の親友、ミキちゃんの話です。
高校2年の時、1つ上の成瀬先輩に恋をしていました。
ですが、先輩はいつもミキちゃんを男のように接していました。元々バスケ部で、ゲーム好き、そしてスカートを嫌がるミキちゃん。だから先輩もあまり女の子として見なかったのでしょう。
そんなある休みの日、私が一人で図書館へ行く時、ばったり成瀬先輩に会いました。そして、隣には美紀(同じ名前だけど、分かるようにこっちだけ感じにしてます)がいました。
"えっ、付き合ってんですか?"思わずそんな事を聞いてしまった私。
"いや、こいつが着いてきたんだよ。って言うか、お前もいるなら、一緒に入ろうぜ。"
少し戸惑うも、美紀と先輩を二人っきりにしちゃいけないと思い、OKしてしまった。
図書館は意外と空いていて、私たち3人と数える程度しかいなかった。
私はすぐ宿題を始めたのだが、どうも先輩と美紀がうるさい。
"静かにしてもらえます?"そういう為に二人を見た。人が居ないのをいい事に、私の目の前でキスをしてた。頭が真っ白になった。
"見ちゃった?ま、いいや。見たなら、もう先輩に近ずかないでね"ミカはそう言い残し、先輩と席を後にした。美紀は私が先輩を好きだと勘違いしているようだった。
でも、どうミキちゃんに説明したらいいか分からなくなって、結局私は誰にも言えないまま月曜日を迎えた。
学校に着き、一番乗り!と思いながらクラスに入ると、ミキちゃんが中で泣いていた。いつもなら遅刻寸前で来る彼女。なぜいるのか、そしてなぜ泣いているのか、わからなかった。私の存在に気づいた彼女は泣きながらも語り始めた。
"先輩にね、今日の朝、校庭裏に来てってメールしたの。でも、今日行ったら、先輩と美紀がキスしてて。。。それでも気持ちだけは伝えようって思って、伝えたらね、先輩に、同じ名前なのに、お前は可愛げ無いし、女として見れないし、お前みたいなの彼女にしたら黒歴史じゃん。って言われて。。。私、そんなにダメかなぁ。。。"
あまりの酷さに成瀬先輩を殴りたくなったが、ぐっと堪えた。私の役目はミキちゃんを慰めること。成瀬先輩の関係なんて、私には関係ないから。







そんな事があってから3年が経った。今でもミキちゃんとは仲良くやっている。成瀬先輩は結局美紀と別れ、別の女と付き合っていると聞いたが、噂では何股もしていると聞いた。
ミキちゃんにはまだいい人が訪れていないが、彼女なら絶対にいい人が目の前に現れると、私は信じている。

written by ニア

エピソード投稿者

ニア

女性 投稿エピ 8

自分自身や友達の恋エピを書いています。絵の勉強もしています。マンガ化されたらとても嬉しいです!