あなたのいちばんは

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看護師1年目、まだまだ先輩に怒られながら、仕事をしていました。そんなときに出会った患者さん
まるさんはすごく明るくて、いつも笑顔でした
38歳で、落ち着いた雰囲気が好きでした
受け持ちになったらいろいろ話してみたいなと思っていたとき、受け持ちになり、いろいろな話をして笑い合いました
1年目だと伝えると、大変なことも多いだろうけど頑張ってねと笑顔を見せてくれて、
私が、今日は忙しいです〜と言うと、頑張れよ!と声をかけてくれる、そんなまるさんのおかげで毎日頑張れていました。
疲れたから頭撫でてくださいーと言ったら、しょうがないなあと頭を撫でてくれたり、
少しお話しませんかと言うと、いろいろな話に付き合ってくださいました。
ある日、私が仕事が終わり帰ろうとしていると、病院の外でまるさんに出会いました。たばこを吸いに外に出ていたとのこと。
外で少し話しませんかと言うと、いいよ、と言い外でしばらく話ました。そろそろ帰ろうかという話になり、私が寂しそうな顔をしていると、これ俺の連絡先だから気が向いたら連絡して、と連絡先を教えてくれました。
入院中は毎日ずっとやり取りをしていたけれど、ある日、退院が決まりました。退院前日にまた外で話をして、頭も撫でてもらったし、手も繋いでもらいました。でも、それ以上を求めると、りいちゃんは彼氏がいるでしょ、と笑っていました。
そして退院して、やり取りも少しずつ減っていって、ある日、言われた言葉
「りいちゃんはいつも素直でほんとうに可愛いし、話していても楽しいけど、やっぱり家族がいちばん大切だから。」
結婚して子供もいるまるさん。そんなことは最初からわかっていました。ほんとうはやり取りするべきではないことも。少しでも話していたかっただけの私のわがまま。
でも、私とも連絡をとっていながら、家族がいちばんだというまるさんのずるさが嫌い。

written by りい

エピソード投稿者

りい

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