高校1年生の時。
入学してすぐクラスでの自己紹介タイムがあり、緊張してた私の耳に聞こえた懐かしい声。
「朝比奈 優です。中学時代は陸上部で‥」
それは小学校の卒業式以来見かけてなかった旧友で。
久しぶりに会った彼は背も伸びて声も低くてまるで知らない人でした。
その後私の友達と彼の友達が仲良くなり付き合いだしてから私達は4人でいることが多くなりました。
ですが彼は私のことなど覚えてないだろと思い私は彼と同じ小学校だったことを黙ってました。
病弱だった私が実際に小学校に通えた期間は3年ほどしかなく私の事など誰も覚えてないと思ってたんです。
でも、優しい優のことを好きになるのに時間はかからなくて。私はバレンタインの日に思い切って告白しました。
返事は返ってきませんでした。
それから季節はすぎて私達は3年生になり。
私は優と同じクラスで沢山の思い出も増えました。
でも、あの告白の返事が貰えないまま季節は冬を迎え。
私は卒業後に地元を離れ専門学校に、彼は地元の大学に進学が決まってたある日。
その日も優と何気ない日常のやり取りをしていた時に。
"ねぇ、私が優にチョコあげたこと覚えてる?"
私はまた思い切って聞いたのです。すると。
"あぁ、お返し渡すの忘れてたな"
"2年越しのお返しは高くつくよ?"
"じゃあ俺の大学生活全て使って返していくわ"
"その時私は社会人だし、地元離れるんだから簡単に会えないじゃん"
"俺が会いに行くよ"
"優しいね、そういうところが私大好きだったの"
"俺も好きだよ、お前のこと"
何言ってるんだろうと思い、携帯を何度も見つめたら彼から着信が。
「も、もしもし!?」
「窓、あけて」
急いで部屋の窓をあければ優が立っていました。
「なんで‥!?こんな遅くに何してるの!?」
「遅くなったけど‥俺のお返し貰ってくれる?」
「俺もみゆみのこと好きだよ。小学生の時からずっと」
信じられませんでした。彼が小学校の時の私を覚えていたのも、彼と結ばれたのも。
「嘘‥だってあの時何も‥言ってくれなかったじゃん」
「みゆみ小学校の頃の話になったら悲しそうな顔するから思いださせたらまた会えなくなっちゃう気がして‥言えなかったんだ」
「でも進学先も別れたし、もうこれから学校で過ごす時間も減る。また離れ離れになるのは嫌だった。だから」
「信じてくれるまで何回でも言うよ‥好きだ。好きだよ」
その後靴を履くのも忘れて彼に抱きついた私は。彼の腕の中で沢山泣きました。
2年越しのお返しでした。
written by みゆみ
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私の短い人生の中で起きたまるで恋愛小説の様な体験を誰かと共有できたら嬉しいです。 小説サイトで活動してます。ただの社畜です。