人気な彼と平凡な私

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高校に入って、半年ほど経った時でした。
バンドサークルに加入していた私は同期の男友達と仲良くなりました。

相談事も冗談もなんでも話せる親友のようでしたが、
彼がじゃれて私に触れたり、電話をするとドキドキしている自分もいました。
彼は背が高くすらっとしていて、イケメンで、ギターもとてもうまくて
サークルの女性の先輩からも人気が高い人でした。

好きになってしまったらきっと苦労するし、私には釣り合わないなと感じて
親友として割り切って接することにしようとしていました。

それでも、彼は毎日のように夜中まで電話をくれたり
ごはん会などでも必ず隣に座ってくれたり
自然とサークルの集まりに行く時には待ち合わせしていくようになっていきました。
段々、私たちのことを噂するサークルのメンバーが増えてきて
私も自分の気持ちを段々無視できなくなってきてしまいました。

そんな頃、サークルの集まりの場に突然彼がとびきり可愛い女の子と腕を組んで登場しました。
私は堪らずトイレに駆け込んで泣いてしまいました。
やっぱり私はただの友達だったんだ、と強いショックを受けてしまいその日はサークルに行けませんでした。

その日の夜、彼から突然電話がありました。
「今日、なんで来なかったの?」
あなたが女の子といたからだよ、なんて言えるわけもなく私が黙っていると
「実は今日、ずっとしつこくされてる女の子が突然サークルに入りたいって言い出して、ついてきて離れなくて大変だったんだ。お前がいてくれたらよかったのに」
と言いました。
「えっ、あれ彼女じゃないの?」
思わず言ってしまいました。
「やっぱり見てたのか…。本当に誤解しないで欲しいんだけど、何度も引き剥がそうとしたし何度も本気で怒ったのにぜんぜん相手にしてくれなくて。誰にでもああなんだよ、あいつ。あんな奴のこと好きでも何でもない。この際ちゃんと言うけど俺が好きなのはお前だから」
私はびっくりして、泣きながら答えました。
「私も、私もずっとすきだった…」

その後結ばれた私たちのことを知って、その女の子はサークルを辞めて行きました。
そんな馴れ初めから5年経ちますが、今でも彼と私は仲良しです。

written by リズ

エピソード投稿者

リズ

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