憧れの先輩

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初めて先輩を知ったのは小学生のときでした。
放課後にあったミニバスでたまたま同じチームでたまたま同じ小学校で…
わたしの一個上ですごくバスケが上手くてかっこいいなあと思っていました。
先輩のことが好きなんだと自覚したのは中学校に入ってからです。それまではただの仲の良いお兄さん的な存在で頼りにしていました。3つ下の弟とも仲良くしてくれていてバスケを教えてくれたり、親同士も仲が良く、学校が休みの日も遊んでいました。
そんなある日、中学の大会で男子バスケ部の応援をしに行くことになりました。試合前にわたしが先輩に『今日の試合頑張ってください!』と直接声を掛けたあと、応援に来ていた女子バスケ部の先輩たちも続々とその先輩に声を掛けているのを見てなんだかモヤモヤしていました。わたしが友達にそのことを話すとその子は、『それは先輩のことを好きってことだよ~』と言われ、その当時のわたしは先輩という存在が恋愛対象になるってことがありえなかったので、そんなことはない!と思っていました。
それから数日後の大会の準決勝で、見事勝利し決勝戦に進出!!先輩におめでとうが言いたくて、部活帰りに校門で待ち伏せしようと急いで下駄箱に向かっている最中、部活終わりに教室に向かう先輩を見かけました。声を掛けようと後を追いかけるとなんと教室には女子バスケ部の先輩がいました。告白現場に遭遇してしまったのです。慌てて廊下にしゃがみ込んで2人がいなくなるのを息を潜めて待っていました。その場から校門に行けばよかったのですが、なぜかわたしは聞き耳を立ててしまいました。女子バスケ部の先輩はフラれてしまい、わたしは心のどこかでホッとしていました。そのときやっと、先輩が好きなんだと確信しました。その日は先輩には会わず、そのまま帰りました。
次の日、部活に行くとそのフラれた先輩は周りの先輩たちに励まされながら大泣きしていました。それを見てわたしは、告白はしなくていいや、とそのときは思っていました。付き合いたいとか、それ以上の感情はなかったからです。
それから先輩後輩の関係のまま、先輩は受験を迎えました。進学先はバスケの強豪校で、偏差値もけっこう高いところでわたしには到底いけそうにない高校でした。
先輩は高校に行ってからもわたしと頻繁にメールをしていて、受験のことや、部活のこと、高校のことなど…
いろんなことを聞いていました。特に行きたい高校もなかったわたしは先輩と同じ高校に行くことを決断しました。バスケで推薦が来るはずもなく、偏差値も中の中で先生にも親にも止められました。それでもわたしの意思は固く、ダメ元で父の塾に通うことにしました。それからのわたしは驚くべき成長を遂げ、見事に偏差値を届かせたのです。今考えると本当に先輩への気持ちが強かったんだなと思います。笑
受験が終わるまでは先輩とは連絡を取らないようにしていたのですが、受験の前日、先輩からメールがきました。
『明日の受験がんばれよ!』
それだけでもうびっくりするくらいパワーチャージできてそのときはもう自分は無敵だと思えました。
受験も終わり、まだ結果が出ていないときに先輩との連絡も再開して、久々に遊ぶ約束をしました。カラオケにいってプリクラを撮って…
夢のような時間に感じました。
同じ高校に行けなかったらこれが遊べるの最後なのかなあ。
先輩の行った強豪校はほんとに休みが少なくてテスト期間くらいしかまとまった休みがなく、夏休み、冬休みも3日間くらいしか休めず…といった感じなのはメールで聞いていました。
ずっと胸に秘めていた想いを今日伝えよう。
そう思ったのですが、自分から告白したことは一度もなく、緊張しすぎて結局その日は言えませんでした。
あっという間に合格発表の日。結果を見に行くと…
なんと受かっていました!!先輩と同じ高校に行ける!!!
嬉しすぎて両親よりも先に、先輩にメールしたのを今でも覚えています。
その後、入学して男子バスケ部のマネージャーになろうと思っていたのですが、わたしがバスケ経験者という噂がなぜか女子バスケ部に知られていて、勧誘され、断れもせずそのまま女子バスケ部に入部してしまいました。
今思えばそれが間違いだったのかもしれません。笑
男子バスケ部ほど強くはなかったのですが、休みも全然なく、練習も大変で、自分に全く余裕が持てませんでした…
ですが、広い体育館だったので男子バスケ部と隣同士で練習することも多く、暇さえあれば先輩をさがして、相変わらずカッコいいな〜♡と思いながら練習を頑張れていたのを覚えています。笑 大会の会場も同じところが多く、女子バスケ部の先輩にバレると怖かったので隠れながら密かに先輩を応援していました。高校での先輩のファンはかなり多かったのです…
そんな感じで入部して半年が経とうとした頃、テスト期間で朝練もなかったわたしは1本遅い電車で学校に向かっていました。すると、隣の車両に見覚えのある後ろ姿が…
なんと先輩でした!これはチャンスだ!と思い、急いで移動して一緒に登校することに成功♡
今日はホントついてるな〜とるんるんになっていたのはつかの間…
衝撃的なことを先輩に言われたのです。
『俺、誰にも言ってないんだけどさ…実は同じクラスの吹奏楽部の子と付き合ってるんだよね』
え………
せっかく先輩と同じ高校に入学して、今(たまたまだけど)一緒に登校できてて、やっと、やっと言えるかと思ったのに…
もしあのとき告白できていれば、付き合えていたのかどうかはわかりません。でも先輩のおかげで受験も部活も全部頑張れていた事実は変わりません。学生生活もすごく充実していました。他の人を好きになっていれば……、そう思うときも少しありました。
今思うと一途だなあ自分って感じです。
現在のわたしは職場で出会った旦那さんと今年3月に産まれた息子と幸せに過ごしています。先輩との過去があったから今があるんだと思っています☺︎今となってはいい思い出になっています♪

written by milk

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milk

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