2人の秘密

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大学生の時留学をしました。留学先初日に出会った彼と地元が近いこと、偶然同じ日に帰国する予定だったため意気投合し、出会って2ヶ月で付き合いました。彼と一緒に毎日とても幸せな日々を過ごしていた矢先に起きた私たちの切なくて辛い物語です。(少し重い内容です。)
付き合って1ヶ月目、女の子の日が来ないことに気づきました。環境の変化により1ヶ月来ないのは前にもあったので、今回もそれが理由かなと思って放っておきました。しかしそれから2週間しても一向に来なかったので不安になった私は、彼に恐る恐る、「女の子の日が来ないんだよね〜、でも最近お腹が痛いからもう来るのかも〜!」と笑いながら言ってみたら、「確認した方がいいよ。」と言われました。
すぐ検査薬で確認したら、陽性でした。ショックで言葉が出ませんでした。彼の反応が怖くてなかなか言い出せなかったのですが、彼はそんな私を見て察し、「今後どうするか考えないと。」と冷静になって言ってくれました。
私はもちろんのこと、彼にとっても初めての出来事であり、2人でたくさん考えた結果、下ろすことになりました。私は日本での貯金は使ってしまったため、お金がないことの心配と、留学先で頼れる人が周りに少なく、どうすればいいか分からないパニックで、毎日のように泣きました。彼はそんな私にずっと寄り添って「大丈夫、俺が何とかするから。お金も全部出すし、安心して。」といつも励ましてくれました。
私たちは日本に帰国して病院に行くことに決めました。学校の関係上すぐ帰ることができなかったため、帰国までに2週間ほどあり、私のつわりが始まりました。毎日気持ち悪くて、匂いにとても敏感になり、食べても嘔吐するの繰り返し。食べ物もこれがいいと思ったら、それしか食べれませんでした。些細なことでもイライラしてしまったり、怒ったと思ったらすぐニコニコしたり、、、テンションの上げ下げがとても激しく、自分でもコントロールできませんでした。そんななか、毎日学校に行かなければならなく、精神的にも身体的にも辛かったです。そんな時も彼は私のそばにずっと居てくれました。

無事帰国し、病院に行きました。病院のない日に出かけた際に私が機嫌が良かったり悪かったりと気分の上げ下げがいつも通り激しく、彼はついにストレスが爆発してしまい、私を1人渋谷駅に置き去りにしてどっかに行ってしまいました。すごくすごく辛くて、家に帰りながら
「今日はごめんね、自分でも機嫌の上げ下げが激しいことはわかってるの。だけどコントロールしたくてもできないの。ずっと我慢してきてくれてありがとう。いつも隣で大丈夫だよ、って言ってくれてありがとう。」とLINEしたら
「俺もごめんね。ムム(私)が1番辛いことはわかってる。ムムのせいじゃないことをわかってるのに、ああいう態度を取ってしまってごめんね。」と返信がきました。1人で電車の中で泣くのを我慢したのを今でも覚えています。(笑)
病院は数回通わないといけなかったのですが、毎回彼はついてきてくれました。病院内に入ることができないため、ずっと外で待っててくれました。手術の日も3時間以上外でずっと。彼のおかげで安心して手術を受けることができました。
手術の前日、私はエコーで撮ってもらった写真を手に1人の命の将来を奪うこと、彼に迷惑をかけてしまったことに号泣しました。その時彼も涙を流しながら、
「ごめんね。こんな辛い思いをさせてしまって。」と言っていました。
私たちはこの経験を経て、より一層信頼できる関係になりました。2人にとってとても辛い出来事でしたが、いつだって彼は逃げずに私の隣にいてくれました。

後日彼から聞いた話なのですが、この出来事のときに彼は、
「いつもは自分に自信が持てないけど、何故かあの時だけはムムのためなら何でもできる自信があった。何でもしてあげようと思った。」
と言ってくれました。
私は彼とこれからの人生一緒にいることを誓いました。今も毎日一緒に幸せに暮らしています。

(命を軽く見ていると思われてしまうかもしれませんが、自分たち自身がまだ未熟で面倒を見られる子供という立場であるということ、まだ学生で学費でさえ1人では払えないような立場であるのに、子供を産んだとしても幸せにできないだろうと考え、下ろしました。私たちがその時に出した精一杯の決断です。不快に思われた方には大変申し訳ございません。)

written by むむ。

エピソード投稿者

むむ。

女性 投稿エピ 1