初めて月を見た時、その美しさに目を離せなかった。
あの日からずっと、私は綺麗な月を眺めるだけ。
どれだけ手を伸ばしても、月への距離は変わらない。
届かない月は、いったい誰を照らしているのだろう。
月は届かないから美しいものなのかと思うとなんだか悲しくなった。
隣で夜空を見上げるあなたには月が見えていますか?
あなたがどんな月が好きなのかも知らないまま、私はあなたに見える月になろうとしています。
月が綺麗ですね。
心の中でそっと呟いてあなたを見つめるけど、あなたはそんな私の視線にすら気づいてくれない。
もしも私に見える月が他の何よりも綺麗なのだと知ったら、あなたは何を思うのでしょうね。
星の方が綺麗ですか?
太陽の方がお好きですか?
もしも願いが叶うなら、私はあなたにとっての月になりたい。
いつかあなたと一緒に死ぬことができる日が来ることを夢に見て、私は今夜も月を眺めています。
〈意味〉
初めてあなたを見た時、私はあなたに恋をしました。
あの日からずっと、私はあなたを影から見つめることしかできない。
どんなに話したくても、私は話しかけるほどの勇気を持ち合わせてはいなかった。
私が精一杯手を伸ばしても届かない、あなたの視線の先にいるのは誰?
きっとその視線の先に私が現れることはないということは分かっているけど、だからこそこんなにも恋い焦がれるものなのだと思うとなんだか悲しくなった。
あなたは私を知っているの?
私はあなたがどんな人が好みなのかも知らないまま、あなたの視界に入ろうとしています。
あなたが好きです。
心の中でそっと呟いてあなたを見つめるけど、あなたはそんな私の視線にすらきっと気づいてくれない。
もしも私があなたを好きだと知ったら、あなたはどんな反応をするのでしょうね。
やっぱり私はあなたの世界には存在していませんか?
私とはまったく違う、好きな人がいますか?
もしも願いが叶うなら、私はあなたの好きな人になりたい。
いつかあなたの大切な人になれることを夢に見て、私は今日もあなたを見つめています。
written by 日向 葵
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