忘れ物を取りに教室に戻ると──
「好きです……っ!」
幼なじみが女の子に告白されている場面を目撃してしまい、慌ててドアの影にそっと身を隠す。
「あ、あの……っ、調理の時間にクッキーを焼いて!それで先輩に食べて欲しくて頑張りました……」
「──…ありがと」
私はなんてツイていないのだろう。
好きな幼なじみが告白され、それも答えを出す瞬間に出会すなんて……。
当然その先の答えを聞ける自信もなく、教室に背を向けて廊下を歩こうとしたはずだったのに。
後ろから、誰かに腕をぐいっと強く引っ張られる。
「……帰ってんじゃねーよ。」
その誰かは、声ですぐに分かった。
「………なんで、」
聞いていたこと、てっきりバレていないと思ったのに……。
「お前の隣に何年いると思ってんだ。気づかないワケないだろ」
『俺の方から見えてたし。隠れんの下手すぎ』って、どうやら最初からバレていたみたい……。
「……告白は?」
「断った。」
「えぇっ……!!どうして……っ!?」
「お前以外の女子に興味はない。」
てっきりあの子と付き合うんだとばかり思い込んでいた私は、一気に力が抜けてその場に座り込む。
──すると、彼もしゃがみこみんで
「この先もずっと、お前を離す気なんてないから。信じて着いてこい。俺が傍で守ってやる」
そう言いながら、私の目線に合わせてくれた。
最悪に思っていたハロウィンだったけど、彼から予想外の本音が聞けて、最高に幸せで特別な日になりました──…♡
written by :*✿ひめりぃ✿*:
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