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教育実習先で配属された隣のクラスの担任の先生。
年も若く容姿も整っていて、みんなに優しく児童からも教育実習生からも好かれていた。
いつからかわたしに対してだけ少し当たりが強く、ちょっかいをかけられるようになり、仲良くなったように思っていた。
次の授業何やるの〜?とか、その時間空いてるから見に行くねなどと声をかけてくれていた。
しかし教育実習が終わりに近づくと、そのように声をかけてくれることが少なくなり、目があっても無表情のまま挨拶をするだけになった。
急に嫌われたのかなと不安になったり、その先生のことを考える機会が増えたりしていた。
教育実習の忙しさや自分の配属されたクラスの児童との関わりを大切にしていることから、あまり考えないようにしていたが、毎日姿を探したりその先生のことを考えたりしていて、最初から好きという気持ちがあった。
最後の日の前日、ほかの教育実習生にだけ声をかける先生に、どうしてわたしには言ってくれないんですかと怒ったように言うと、呆れたように笑いながら頑張ってねと言う先生。
以前のようなからかいながらのじゃれあいのような話ができて嬉しく思いながら迎えた最終日に、急に呼び止められ、◯◯先生頑張ってねと声をかけてくれた先生。
たった一言でもとても嬉しく最終日を無事に終えることができた。
教育実習が終わって、自分の気持ちに気づき、もう会えないことや連絡もとることができないことの寂しさから毎日泣いて過ごしていた。
1日だけ教育実習の関係で学校を訪れる機会があり、頑張って声をかけてみようと意気込んで行き、会えたタイミングで緊張しながら、書道が専門だった先生に自分の名前を書いてもらうようお願いをした。
わたしよりも数倍上手に、丁寧に書いてくれた名前。
教育実習おつかれさまといつも通り無表情に言ってくれた先生の不器用な優しさに触れ、好きという気持ちを再確認した。
しかし会うことも連絡もとることもできないことに変わりはなく、書いてもらった名前を励みに教員を目指し努力しながら、いつかまた会えたらいいなと思っている。

written by k

エピソード投稿者

k

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