10年の恋をありがとう

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元彼のいる高校へ練習試合をしに行きました。
半日の体育館練習が終わり、友達と体育館内にある更衣室で着替え、外へ出た時でした。
そこには、もう別れて3年も経つ元彼がいました。

出会ったら、ずっと話をしたかった。
別れてから一度も話せてない。
小学校からずっっと一緒だったから、高校が離れて、こんなに会わない期間があったことなんて、今までなかった。
何度も何度も、次の恋へ行こうとした。
でも、ずっとあなたのことが忘れられなかった。
もうかれこれ10年もあなたのことを想ってきたの。
あなたと話がしたい。
その日も、もし出会ったら、笑顔で話しかけようと思ってた。

でも実際は、目を合わせることすらできなくて、うつむきながら元彼の横を通りすぎました。
付き合ってた4年間も、恥ずかしくてあまり話すことができなかった私が、1年ぶりに会う元彼に笑顔で話しかけるなんて、無理に決まってました。

未練がましく振り向くと、元彼も私の方を振り向いて見ていました。
私の大好きだった、あの優しい目で。
でも、あの時よりも背が伸びて、見慣れない練習着に身を包み、私の知らない人たちと仲良さげに話す元彼は、本当に私の知らない元彼でした。


私たちは、もう、会おうとしないと会えない。
学校に行けば会えたあの頃とは違う。
だからきっと、もう元彼と会うことはない。
今度こそ、この10年の恋を終わらせよう。

私は、振り向いて目があった元彼から視線を逸らし、前を向きました。


もう私は振り返らない。

10年の恋をありがとう。

written by あめ

エピソード投稿者

あめ

女性 投稿エピ 12