私は中学校入学式の日から好きな人がいた。彼も私も小児科医という同じ道をめざしていた。明確には覚えてないがいつからか私たちはお互いをライバルとして意識し始めテストの点を競ったりしていた。
中2のころ友達が言った。「彼、彼女出来たみたいよ。」と。1歳年下の彼女だった。やるせなくて悔しくて、でも何も言わなかった。そっか。と答えて私は気持ちを隠した。
それからもその子はテストがある度勝負をしかけてきた。彼からのメッセージが来る度に舞い上がり、そんな自分が惨めに思えた。そうして中学を卒業した。
中高一貫だったので当たり前のように同じ高校に入学した。彼らが喧嘩する度「別れればいいのに」と思ってる自分が嫌だった。けど、それでも、好きだった。
「夏休み一緒に勉強しない?」私が彼に言うのを諦めていた言葉をかれは私に言った。
「彼女いるんでしょ、彼女とすりゃいいじゃん」私は言った。「あいつは勉強しないから。」彼は言った。
許されない行為だと思っていたけど、私たちは隣で勉強し始めた。
楽しかった。りんごジュースかオレンジジュースかどっちが好きかで他愛もない言い合いをしたりした。
だけど彼女が彼氏に一緒に勉強するなと言った。私たちは2人とも我に返って、目が合っても気まずくなった。
彼の好きなりんごジュースを飲みながら、私は1人で帰った。隣を見ても誰もいない。それがたまらなく寂しくて空を見上げた。
written by みなみ
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