少女マンガのような恋

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私が高校生の時のお話です。
当時別の高校の1つ上の先輩と付き合っていました。
私の名前はももか。彼の名前は圭。
先輩と出会ったきっかけは2年の時の硬式テニス部の大会会場で私が一目惚れし、友人を通して連絡先を聞きました。
そこからやり取りが始まり、梅雨時期真っ只中、先輩から告白されてついに付き合うことに。
お互いの高校が近いのと、お互い家の方向が同じなのでよく私の高校の正門の前で待っててくれて一緒に帰ったり、自転車2人乗りして帰ったり、川沿いの公園にいって夕日を見て帰ったりしてとても幸せな時間を過ごしていました。
しかし先輩は受験生。

『俺、神奈川の大学に進学する。やりたいことがあるんだ』
告げられた夏休みの出来事。

遠距離確定だ。私は頭のなかが真っ白になった。
まだ恋愛経験も乏しく、この幸せな時間がずっと続くと思っていた自分でしたがまさか遠距離になるだなんて微塵も考えていませんでした。

『…夢があるなら頑張らなきゃだね!叶えられるように頑張ってね』
無理して笑顔を作って応援する私。

離れることを考えると、まだ17の私にはとても辛く寂しいものでした。

そして先輩は第一希望だった神奈川の大学に進学が決まった。
引っ越しまでできるだけ毎日一緒にいた。
そして、先輩の卒業式の前日に一緒に帰る約束をした。
これが、先輩と一緒に帰れる最後の日。
先輩と一緒に送れる高校生活最後の日。
いつものように正門に自転車を横に持ち先輩が待っていた。
私は先輩と過ごす高校生活最後の時間が終わってしまうことに寂しさで胸がいっぱいでした。
高校から家まで主に畑道
のどかな風景が広がっており
いつもは2人とも自転車だけど、今日は先輩の自転車で2人乗りをして帰りました。
春を先取りした強い風が私たちに向かって吹いてくる
太陽がそろそろ西の山に隠れそう
必死に自転車をこぐ先輩
もうこの道を一緒に帰ることはできないんだと
寂しくなって無言になってしまう私
そんな中、先輩が話かけてきました

先輩『あのさ』

私『?なーにー?』
風が強くて思うように聞こえない

先輩『俺、来月には神奈川行っちゃうしこれから先ももかに寂しい思いさせちゃうと思う』
息を少し切らせながら先輩は話した。

先輩『俺が大学卒業するのが22歳、いまから4年後だけど、俺が卒業したら籍入れよう!結婚しよう!』

突然のことに私はびっくりして
さっきまで田園風景を見ていた私は
夕陽に照らされながら必死に自転車をこぐ先輩の背中を
目をまんまるにして見た
先輩の顔は見えないけど
きっと照れくさくて顔が真っ赤だったんだろうと思う。
私は最初何が起きたのかよくわからなくて
でもだんだん状況を理解できたとき
すごく嬉しくてドキドキが止まらなくて

私『はいっっ!!お願いします!』

と涙目で笑顔で答えた。


高校生の精一杯のプロポーズ。
それだけでもとても幸せな気持ちになりました。

そして先輩が旅経つ日
最寄りの駅まで一緒に行った。
駅のホームまで見送り
ここから遠距離が始まる
寂しい、つらい、一緒にいる時間が多かったから
離れるのがとてもとても寂しく辛かった。
けど、泣かないで笑顔で見送ろうと誓っていた。

『大宮行きの列車が参ります。黄色い線より離れてお待ち下さい。』
電車がもうすぐ来る。
だんだん寂しさが強くなる。
お互い手を繋いだまま無言になる。

先輩 『それじゃいってきます』
そういって先輩は私のおでこにキスをして電車に乗り込んだ。
閉まるドアの向こうの先輩は笑顔で手を振ってる。
私はビックリと嬉しいと寂しい気持ちで混乱してたけど
先輩が見えなくなるまで笑顔で手を振った
見えなくなった途端
寂しさがどっと溢れてきて涙がボトボト…
泣きながら帰った私。
でも、先輩と将来を約束したから、その将来のために頑張ろうと思って、重かった足を勢いよく出して
涙を拭きながら一歩一歩しっかり歩いて帰った。


しかし現実はとても厳しく、結局先輩とはその1年後に遠距離に私が耐えられず破局をしてしまいました。
もう10年以上経ちますが、今ではとても淡く幸せな恋の思い出として胸にしまっています。





written by きょえちゃん

エピソード投稿者

きょえちゃん

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