バレンタインの思い出

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受験直前のバレンタインデー。

当時好きだった人は別のクラスだった。

センター試験が終わって各教科ごとの学習をしている時期、各教室を教科で分けてそれぞれ移動して授業を受けていた。

ちょうど私の好きな人のクラスでも物理の授業が開講されていて私とその人も同じ教室で受けることが出来ていた。

バレンタインの日はその1日の最後の授業が物理の授業だった。
私はその時間の最後にバレンタインを渡す決心をしていた。

その1時間、先生の話は耳に入んないし、心臓はやたらうるさいし、時間が経つのがあまりに遅く感じた。

授業後その子の周りに一瞬誰もいなくなったのを確認して・・・
「やる、以上」。
と、何の可愛げもなくチョコレートを渡した。
コンビニで買った個包装のチョコレートの裏に 一言だけ「またLINEしようね」
と、メッセージを添えて。

渡してすぐその子の「ありがとう」の声も確認しないまま教室を小走りで出た。顔が火が出るほど熱かった。

その子とそのあと進展があった訳ではないがあのバレンタインデーだけは忘れられない。

その子に何か伝わっていたら嬉しい。

written by たけのこ

エピソード投稿者

たけのこ

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