ねぇ、好きだったよ

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高校生の頃、私はとても仲のいい男の子がいました。その彼とは3年間同じクラスで、最寄りの駅も同じだったので、登下校を一緒にすることもありました。
学年でトップクラスに頭も良かったため
勉強も教えてもらうというような関係性でした。
友達には、付き合ってるのかと毎回からかわれていましたが、その時は、別に意識もしておらず、なんとも思いませんでした。
けれど、大学受験の際、私は希望していた大学の推薦に落ちてしまいました。すごく落ち込んでいた私に彼は励ますような言葉をかけるわけでもなく、ただ話を聞いて、寄り添ってくれました。
その時に、「あー好きだなぁ…」と思うようになりました。
意識をするようになると同時に受験も差し迫っており、一度は気持ちに蓋をしました。
卒業式の日、制服に花をつけるのですが、彼がわざわざ私のもとにやってきて、「付けてよ」と言ってきました。彼の近くに行った時にドキドキが止まらず、「もっと早くこの気持ちに気付いていればなぁ」と思いました。
気持ちを伝えることも考えましたが、進学先はお互い離れており、いい思い出にしようと心に決めました。

後から友人から聞いた話では、彼も私のことを好きだと言っていたみたいです。たまに彼のことを思い出すことはありますが、気持ちを伝えなかったことに後悔はしていません。
何年か後の同窓会で笑って言えたならと思います。

written by yu.

エピソード投稿者

yu.

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