夏休みに入ってから彼氏の天都(takato)のお家に遊びに行くのが、毎日の日課になっている。
といっても、お互いにお家がとなり同士。
幼なじみなこともあって、ふだんとあまり変わらないけど。
それから天都の両親は日中どちらも共働きのため、自由に出入りしていいことになっている。
「お邪魔しまーす!」
今日も行き慣れた玄関で靴をそろえてから、階段を上がり、天都の部屋がある二階へと向かう。
ノックしてからドアに手をかけ部屋に入ると、
「わ、アイス食べてる!いいなぁ!」
ベッドでくつろぐ天都が、棒のソーダアイスをくわえていた。
「ふふーん、いいでしょう。超んまい」
「ねぇ、私にも一口!一口だけちょうだい」
「ん?やだ〜。あっげないよ~」
「あ、そう。今日のお昼せっかく久しぶりにオムライス作ろうと思ってたのになぁ。これじゃあ、予定変更かな?」
「──!!」
オムライスの言葉にさっきまでくつろいでた天都が、ベッドから勢いよく飛び上がった。
かと思えば、今度は目の前に半分だけになったアイスを差し出される。
「これ!全部食っていいから!!」
「え、いいよいいよ。天都が食べな?」
「いつでもスーパーで買えるアイスよりも、七夕華(nayuka)の手作りオムライスの方が、俺にとっては何倍も大事なの。だからお願いっ。変更だけはどうかご勘弁を……!」
天都のあまりの必死っぷりにお願いする姿。
これには、さすがの私もこらえられずにはいられなくて。
「ふふっ、」
かわいいなぁって。
「なんだよ、笑うなって……。こっちは超真剣なんだからなっっ」
「はいはい。ちゃんとお昼はオムライス作ってあげるから拗ねな〜い」
「……本当に?作ってくれる?」
「うん。その代わり、天都もちゃんとお手伝いするんだよ?」
「炒める担当なら任せんしゃい!」
腕まくりしながらドヤ顔をする天都。
「あとお皿洗いもね」
「えー……」
「なにその不満そうな顔~。そんなようじゃ、オムライス愛も名乗れないわね。てか、別に食べられなくてもいいならいいんだよ?やらなくても」
「……おけです、喜んでやらせてもらいます!」
この変わらないやり取りが、どうかこれからもずっとずっと長く続けばいいな、と。
願う日々です──……
written by :*✿ひめりぃ✿*:
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