高校1年生の時、私はクラスの違う彼のことが苦手でした。
彼は、私の好きな気持ちを利用した最低な元彼と雰囲気が似ていたのです。
私の学校ではほとんどクラス替えがないというのに、2年生になると彼は同じクラスになりました。
初めは本当に苦手でしたが、彼を見るたびになぜか目が合うようになりました。
私はなんだかそれが気になって無意識に彼を見るようになり、目が合う頻度は少しずつ多くなっていきました。
その時にはもう彼が苦手だという気持ちは全く残っていませんでした。
それどころか、もう彼のことが好きになりそうでした。
でも初めは彼が苦手だっただけに、その感情はただよく目が合うからだと思うようにしていました。
その日は、いつも遅刻ギリギリで教室に飛び込んでくる彼が1限目の直前まで来ませんでした。
1人鞄を背負って入ってきた彼は、いつもはしていないメガネをかけていました。
黒い丸メガネをかけていた彼は、いつもとは違って知的な雰囲気でした。
そんな彼を見た時、私はドキッとしました。
その瞬間、ただでさえかっこいい見た目なのに、今まで会った人の中でいちばんメガネが似合う彼のことが、好きになりました。
そんなトドメの刺し方があったなんて、知りませんでした。
written by 日向 葵
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