もしもあの時

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私と彼が出会ったのは、中学二年生のときでした。
始業式でのクラス替えで、クラスに苦手な人達がいたのです。
私は学校に行くのが嫌になりました。
そんな中、共通の友達がいた事から彼と友達になりました。
いつも登校が遅く、人懐っこく、優しい彼でした。
私の手首を持って他の友達のクラスに行ったり、一緒にゲームセンターに行ったりしました。
そうしているうちに彼のことが好きになっていました。

そして、1年生の歓迎遠足のときでした。
帰りの電車に乗っている時、私は友達といました。
友達がいる方向とは反対の方向を見てみました。
すると、さっきまで近くにいなかった彼が隣にいたのです。
つり革1個空けて、彼がこっちを見ていたのです。
気まずくなって、「身長高いっていいね。私、低いから」って笑って言ってみたんです。
そうしたら、彼は微笑んで頷くだけでした。
私はあまりにも恥ずかしくて、顔を逸らしました。
電車のガラスに反射して見える彼を見てみました。
彼は目的地の駅まで私の方をずっと見たままでした。

誕生日も普段よりも学校に早く来て祝ってくれたり、ゲームセンターに行った時も二人っきりになろうとしたり、毎日LINEをくれたりしました。
私にとって、ドキドキの毎日でした。

そんな彼にある昼休み、「あのな、無理って言うかもしれへんけど…」と言われました。
私は何の話だろうと続きを待っていました。
ですが、彼は「やっぱり何も無い」と言って去ってしまいました。
授業中もずっとその事が気になっていたので、放課後になんの話しだったのかということを聞きましたが、はぐらかされました。
結局、その話は聞けないまま、彼は不登校となってしまいました。

今は彼に教えてもらった曲のシンガーソングライターさんを好きになり、今でも聞きながら彼を思い出します。
そして、あの時しっかり聞けてたら何か変わっていたのかなと思っています。

written by あみみ

エピソード投稿者

あみみ

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