中高6年間女子校に通っていた私は、恋愛などへの興味もなく男の人とも無縁の生活を送っていました。
そんな中、受験勉強に明け暮れていた高3の大晦日のことです。
私はいつもと変わらず朝から晩まで予備校で過ごし、
迫る受験に向けて勉強を重ねていました。
ですが私には毎年大晦日に行なっていることがありました。それは某有名チェーンカフェ(Starb〇〇s)の福袋を買うことです。ほとんどの店舗では元旦の朝売り始めるのですが、近所に大晦日の晩に25時まで営業して福袋
を売る店舗がありました。
好きなことを全て我慢して受験勉強に集中していたため、今年は買いに行くのを諦めようかと思いましたが、
1時間少々並びに行く程度ならと、日頃のご褒美として母と買いに行くことを決めました。
そしてお店に到着した時、列を整備して下さっていた爽やかな店員さんに一瞬で一目惚れしました。大学生くらいの方だったかと思います。真冬の中、白シャツ1枚にエプロン姿で寒そうにしながらも、待機しているのが苦にならないように、笑顔で気さくに話して下さるお兄さんは見た目だけではなく中身までイケメンでした!雑談を交わす中で母が「このカフェのバイトはとても人気が高くて採用してもらうの大変でしょう?」とたずねると、「そんなことないですよ!今ちょうど僕が新人教育の担当をしていて〜」と色々話して下さって。私が高3だと知ると、「大学生になってアルバイトしに来てくれたら僕が指導しますよ!」と言ってもらえた時にはもうほんとにうれしくて!!
日頃ときめきなどとは無縁の生活を送っていた私にとって、大晦日の夜は夢のような時間でした。
それから受験を無事に終えて大学生になった私は、入学して新しい生活にも徐々に慣れ始めた頃、バイト探しをすることに。ですが当時その店舗ではバイトの募集が出ておらず、結局他のバイトをすることになりました。
それからもその店舗を時々利用しに行きましたが、
その店員さんを見かけたことは1度もありません。
しかし数年たった今でもその店舗を訪れると、まるで少女マンガのような出来事を思い出して、ほっこりした気持ちになります。
名前も知らない、たった数十分話しただけの店員さん。
未だに出会った瞬間ときめいた人はその方だけです。
written by mimi
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