あの日あの場所

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わたしみいは田舎に住む28歳のOL

父母妹と4人暮らし

父はザ、昭和の父で自分が正しいと思っている。

気に入らないことがあるとすぐ怒鳴る。

そのため昔からそんな父のことが

苦手で憎らしかった。

昨日も父と些細なことで揉め、罵声を浴びせられていた。

今日、わたしは思い立った。
「こんな思いはもう嫌だ!そうだ!家を出よう!東京にいこう!」

東京へ出ることはわたしの憧れだった。だいすきな趣味にだいすきな友達のいる東京に!この時がわたしのチャンスなんだ!

まず東京進出に向けてしたことは就活の靴を探すこと。

わたしは左右の脚の大きさが違うのか、ヒールの靴が履けない。

スマホで検索していると、東京にオーダでパンプスが作れるお店が!9800円!安すぎる!!今からでも行こう!と思い立った。

新宿、銀座…いろんなところに店舗があるが、自分の家から一本で行ける都内のところに決めた。

無事予約を取り、準備をする。
しかしここで問題発生!!

服がなかなか決まらない!!笑
なんか思うようにしっくりせず、脱いでは着替え脱いでは着替えの繰り返し。

そんなことをしていたら、1時間に一本の特急電車を逃してしまう。

遅れてしまう旨の電話をすると、女性の店員さんは快く受け入れてくれた。

「気をつけてきてくださいね」
と優しい声に安心した。

服も決まり、
電車に乗りいざ!靴屋さんへ!

道中は1時間弱。
その電車の中で、わたしはこれまで一生懸命生きてきて、本当は何不自由なく過ごさせてくれる、父も母もだいすきなんだと涙がでた。

父は経営者で、本当に努力をしていたのを知っていた。
でもやっぱりこの状況は嫌だ。自分らしく行きたいなと自分のために泣いた。


そして東京へ到着。
泣きはらしたこの顔でやばいと思い、とりあえずトイレに駆け込みメイク直し。

なかなかやばいけどしょうがないと思い、靴屋さんへ。

「予約した者です」と店員さんに伝えると、
女性の店員さんが「お待ちしておりました。ソファーにおかけになってお待ちくださいね」と笑顔で対応してくれた。

ソファーに座って待っていると、
横から「ずいぶん遠くから来ましたね!?」
と男の人の声が。

え!??って思って横を向くと
スーツを着た男の人が立っていた。

あっ店員さんて男の人もいるんだと思い直した。あたりまえか。笑

店員さん、見た目がなんとまぁ若そうな…
いや実際若いんだろうな。
黒に近い茶髪にパーマをあてて、
はっきりした顔立ち(二重)

結構タイプな可愛い顔してるなぁー

えっ?もしかして接客されるの?
ヒールを脱いだり履いたりするし
足が臭いだろうし←
やだなぁーーーーー!!!!

なんて考えつつ、

「そうですね。遠くから来ました。」
とめっちゃ塩対応で続けるわたし。

接客中ほんとずっと真顔で。


彼はそんなわたしにも動じず、
いつまでも笑顔でいた。

また知識もちゃんと持っていて

「これなんていいと思いますよ?」
と持ってきてくれた靴がピッタリ!!!

「すごいですね!???」
とわたしも笑顔になった。

彼に心が開いた瞬間だった。


そしてそこからは2人ともいろいろな
世間話をして、購入することに。

レジに向かい、お会計が終わる。
もうここに来ることはないな。 

この店員さんと話してて楽しかったから
なんだか寂しいな。と感じていた。

商品を受け取って帰ろうとしたら、
店員さんは自分の名刺の裏に
ラインのIDを書きはじめた。

「よかったら連絡ください!!」

びっくりして自分が

ドキドキするのがわかった

「ありがとうございます」
と受け取り、お店を後にした。

心が暖かくなり、ニヤニヤしている自分がいた。


駅につき電車を待っているときに

すぐラインをした。

「みいです。今日はありがとうございました…」







あれからもう二年がたつ。
旦那さんとの出会い。

遠距離恋愛を経て、無事今年
結婚することができた。


実はあの日お店に入ってきた
わたしを見て、
彼が一目惚れをしたらしい。笑

一緒にいた女性店員さんに
「僕に行かせてください!」
と言ったそう。

なのにあんな塩対応でごめん…


勇気を出して声をかけてくれた
旦那さんには感謝しかない。

またあの日、あの店舗に行かなければ
彼に会えなかったこと。

あの時間に行かなければ、彼は休憩に
入っていて会えなかったこと。

そんなことを後から聞き、
本当に運命というものはあるなと
思った瞬間だった。

written by みい

エピソード投稿者

みい

女性 投稿エピ 1

はじめましてみいです。 わたしは根っからの恋愛体質で、 いわゆるだめんずや、本当に好きになれない人と付き合ったり、それなのにすぐ振られる なんて恋愛を繰り返してました。 そんなわたしが素敵すぎる理想の旦那さんに出会ったお話や、恋愛など書いていきたいと思います。