私が中学生だった頃のお話です。
私は生徒会長を務めていました。
生徒会室には私たち中高生徒会役員と、中高文化祭実行委員がいました。
文化祭の準備期間に入ると、生徒会役員と文化祭実行委員の関係はより深くなります。
私と彼はその頃から話すようになりました。「かっこいいけど、ちょっと頼りないな…」というのが第一印象です。
すぐ後に私の誕生日が来たのですが、彼は私にお菓子や櫛、栞などをプレゼントしてくれました。
その頃から「あ、好かれているな」とは気付いていたんです。その後、告白されて断りきれず、私たちは付き合うことになりました。
ですが、頭を撫でられるのが好き、と言った私を、人目もはばからず撫でてきたことが少し嫌で、すぐに振ってしまったんです。
そこからしばらく、あまり連絡を取らなくなりました。
「あ、私って彼のこと好きなんだ…」
そう気付いたのは、別れてからでした。
酷い振り方をしてしまったせいで、よりを戻したいとは言えず、彼の片想いだったはずの恋は、気が付くと私の片想いになっていました。
今年卒業してしまう先輩とは、もう話さないかもしれません。
でも、いつか想いが届けばいいな、と思います。
written by 楓
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