4年も前のお話です。
私が小学六年生の頃同じクラスにとある男の子がいました。
彼は頭が良く運動もクラスで上位の方、お顔もものすごいと言っていいほどかっこよくて身長も170cm近くあって「漫画から出てきたような男の子」でした。
それだからか、遠足の時に色々な中学生から逆ナン的な事をされたとの話も耳にします。
そんな漫画からでてきたような彼とは6年間ずっと同じクラスだったのでよくお話をする仲でした。
だけれど、そんな完璧とも言える彼の性格は最悪だったので私はかなり苦手でした。
当時流行っていた交換ノートを私の机から勝手に取って読んでいたりアレルギーのキュウリを私のお皿に入れてきたり。
酷い時は彼のランドセル等の所有物を全て私が持ちながら下校しました。
だけれど、そんな性格が悪すぎる彼でもいい所はあって、
宿題で分からないところがあった時は「そんなのもわかんないの?」なんて言いながらも分かりやすく教えてくれたり
家庭科の調理実習で私の班が中々進まなくて困っている時にわざわざ違う班だったのに手伝いに来てくれたり
と、優しいところもありました。
だけれどやっぱり意地悪な所がありすぎるせいで苦手意識がなくなることはなくて...。
気がついたら卒業式当日になっていました。
卒業式の日は両親達も来ているからか何も意地悪な事をされなかった上に会話のひとつもしませんでした。
このまま終わるのか〜なんて私は思っていましたが、先生や両親がいなくなって生徒たちだけになった時、その彼が後ろから私のことを抱きしめてきました。
それはほんの一瞬の出来事でしたが4年たった今でもはっきり覚えています。
今は彼の連絡先も居場所も何も分からないけどいつかまた再開した時に
「なんで私の事抱きしめたの?」なんて聞けたらいいな。
written by う い。
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