消えないモヤモヤ

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大学1年生の頃の話です。
私は大学一年生の春、勧誘されて行ったサークルの新歓で、ある先輩に一目惚れし、その後何度かデートし、告白したものの、玉砕…
そんな私を慰めてくれたのは同じサークルの先輩でした。その先輩とは知り合ってから共通の趣味である映画の話で盛り上がり意気投合、学校や映画館で2人で映画を見る友達のような関係でした。

先輩には色恋沙汰の噂もなく恋愛にあまり興味がないと人伝に聞いていたこともあり、その時以上の関係は期待していませんでした。しかしその後も、一緒にテスト勉強をしたり、映画以外で出かけたり食事をしたり電話したりサークルで話たりと、先輩との時間が増えていき、気づけば私は先輩のことが好きになっていきました。

夏休みに突入し、ある時2人で花火大会をに行くことになりました。その日も今までと変わらず楽しく話していたのですが、花火が始まると先輩が黙って私の手を握ってきました。恋愛に消極的でシャイな先輩から手を繋いでくるなんて、ドキドキが止まりませんでした。その後も先輩は花火が終わるまで私の手を握ったままでした。

私はその日の花火大会のあと、最終の新幹線で親の実家に帰らなくてはいけませんでした。すると先輩は私の手を握って人混みをかき分けながら、駅まで無事送り届けてくれました。わざわざ私のために手を引っ張って急いでくれる先輩がとてもかっこよく見えました。

ギリギリで到着し、終電の出発まであと10分。しばらく会えないということもあり、寂しさから私たちは沈黙に。すると「もう行っちゃうのか」と先輩が今まで見たことないような悲しい顔で言ってきました。反応に戸惑いながらも、あと5分のアナウンスがかかったため改札へ向かおうとすると、「まって、1ついい?」と言って両手で私の肩を掴み、私を止めにきました。驚いて振り向くと、恥ずかしそうな顔で黙っている先輩が。ドキドキして待っていたのですが、結局奥手でシャイな先輩は何も言わず黙ったままでした。電車の時間もあったので、私たちはその日仕方なくサヨナラすることに。私は寂しさから電車内で泣いてしまいました。

それ以降、何度か出かけたり電話で話したりはしたものの、お互いあの日の話には触れられないまま、先輩からもなにも言われないまま。私はサークルもやめ、先輩と会うこともなくなりました。 

私にとって、不完全燃焼のまま終わってしまった恋。時間も経ち気持ちも吹っ切れたものの、先輩を見かけると、あの日の花火大会を思い出します。
あの日私が先輩から聞きたかった言葉と、先輩が言おうとしてた言葉、同じでしたか?多分このモヤモヤはずっと消えません。

written by まりー

エピソード投稿者

まりー

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